山の怖いモノ
怖いといってもそういう話が好きな人向けではありませんよ。とにかく山での怖いモノです。



夏の高山ではかなり警戒して、午後1時ぐらいには行動を終えるようにしてますが、無事に設営できたとしても稜線付近のテント場で鳴られるとホント怖いです。
一番、酷い目に遭ったは、北岳の八本歯のコルへ出る登山道を登っている時でした。
午前11時頃、遠くで雷の音がしているなぁと思っていたら、急に土砂降りとなり、大粒のヒョウへと変わっていく。 足元にはヒョウが積もり、白い氷の玉が登山道を流れてくる。すると大きな雷鳴がとどろき、体を打つヒョウも痛く、体も冷えてきて、泣きそうになりながら岩陰でやりすごす。 (※岩陰は逆に危険。雷を避けならば、ハイマツ帯に潜り込むのが一番。)
空が明るくなってきてから、北岳山頂を巻いて山荘へのトラバース道へ急いだ。トラバース道の途中でも大きな雷鳴の連続で、高山植物が豊富な道なのに、祈るような気持ちで山荘へ急いだ。
夜になってからもテントの中でシュラフに包まり、遠くで鳴る雷にびくびくしていた。
こんな具合です。15時ぐらいに山頂付近で落雷で死亡、なんて聞くとなんでそんな時間に歩いているの?と思うもんですが、11時ぐらいから鳴られるとねぇ、どうしようもありません。


クマ

北海道じゃないので、それほど神経質にならなくてもと思いますけどやっぱり怖い、これ。それほど山歴はないけど2度ほど見たことがあります。1度目はアヤメの有名な山。 こんなとこでクマが?と思うような山だけどいるんですねぇ。真っ黒なパンダみたいな動きの動物が登山道を横切って谷へ消えていきました。 熊注意の看板もあったので間違いなくクマだと思います。朝暗いうちから歩くので遭遇する確率が高いのかも。
また、鳳凰山から降りてきた時、夜叉神峠方面から来たおじさんが私達にバッタリ遭ってびっくりして大声をあげていました。 なんでも峠の方でクマの目撃情報があったらしく、ずっと笛を吹きながら来たとのこと。そういう話を聞いたときは単独だったらいやですね。
みなさん、バッタリ遭遇してクマも人間も互いにびっくりしない様に鈴は付けましょうね。(どう見てもいない場所でジャラジャラうるさい人も中にはいますがね)



それは6月末の富士山。富士吉田口(河口湖口)から登ったのですが風が強い日でした。小石が飛び交う中やっとこさ、お釜に到着。 お土産屋が集中している場所なのに(もちろんまだ休業中です)、じっとしているつもりが体を押されてよろけてしまう。
剣が峰まで行きたかったので進んだが、建物の陰から離れるとたん2,3m吹き飛ばされて座り込む。 目の前の岩陰(大日岳)まで行けば風が凌げると思って、本当にほふく前進しながら這っていった。
顔に小石(中石?)がバチバチと当たり目が開けられない。ちょっと油断したらうつ伏せ状態から引き剥がされて体が浮く。
帰りはもっと風が強くなってた。シクシク。進んでは戻るを何度か繰り返して下山道にたどり着く。
おかげで剣が峰は空いてましたよ〜〜〜ってそんな強風で剣が峰まで行くのはバカァです。


人間

おじさんの山自慢。
これに捕まってしまうとなかなか解放してくれません。にこやかに挨拶するんじゃなかったぁと、自分の調子の良さを呪ってしまいます。 「何々学校の頃、我々の代が〜〜を初登して・・」(そんな昔から始めるんですかーー!)、「今は道具も良くなって・・・」「昨日は〜〜を日帰りで登って・・」 (いつ終わるか予想できない・・)このおじさんというかおじいさん、何で1人で登ってるか分かる様な気がします。みなさんお気をつけて。

おばさま方の団体
山に登らない人には分からないかも知れないですが、おばさま方の割合はかなり多いです。ご近所繋がりで広がっていくことが多いのかな? いろいろなことから解放され自分の時間ができる年齢になり山を楽しんでいるんだろうなぁと笑顔からも想像できます。
もちろん笑顔だけならいいんですがそのにぎやかなことといったら。動物達も逃げてしまい(あ、クマ避けか)、 ずいぶん前から存在が分かり(いきなりばったりしてびっくりすることが無いか)、静かな居心地のいい山頂の空気を一変させる(帰路が遅くならなくて良いか)・・・なんだいいことばっかりか。
いつかの冬の小屋泊まりの時でした。1人で酒を飲んでいたら「ねえ、お兄さん、こっち来て飲みなさいよー」とおばさま方の集団が。 自分の息子みたいな奴に声かけるなー(笑)と心の中で叫んでいましたよ、私は。 乙女の頃の恥じらいを忘れずにいてほしいですけどね(俺、みのさんみたいなこと言ってるなぁ)


車中泊で・・・ ※恐い系です。書き手が私だからそんなでもないけど。

それは6月末の富士山五合目駐車場でのこと。
その日は南御室小屋でテント泊する予定で夜叉神峠で車中泊だった。しかし起きれば10時過ぎ。現地車中泊で寝過ごすとは情けない。 ここまで来て何も登らず帰るのはもったいないので翌日登る山を考えたが、4,5時間の山では2日間の休日としてはもったいないと、地図も不要でそれなりの山として浮かんだのが富士山だった。
酒や食料を調達し河口湖口五合目駐車場に到着したのは夕方頃。駐車場は十数台の車があったが、6月中の富士スバルラインは夜間通行止なのであっという間に全て帰ってしまい、 あの広い駐車場にポツンと私の車だけが残された。逆に気持ちがいいやと車の中でビールを飲んだ。
さしてすることも無いので暗くなると同時に寝袋に入る。ここの標高は2300m。外は冷たい強風。疲れてもないのですぐ眠れなかったが、色々とぼんやり考えていたらいつの間にか寝入っていた。

どれくらい経ったろうか。隣で車のドアをバタンと閉める音。続いて数人の話声がしてきた。
(もう朝か、目覚まし鳴らなかったなぁ?わざわざ隣に停めなくても・・・)と、急いで支度しようと寝袋から顔を出す、出したけど真っ暗。
「あれ〜?」と車の周りを見ても他の車は無い。時間はまだ夜中になっていない。変だなとは思ったが強風は続いているので風の音を寝ぼけてそう勘違いしたんだろうと寝ることにした。
しかしだ。目を閉じて寝たか寝ないかぐらいでまたドアがバタン!そして話声。今度こそーと顔を出すとまだ真っ暗。そして30分ぐらいしか経っていない。
(あーいやだいやだ)これは風だと自分に言い聞かして寝袋をかぶりじっとする。話声が多くなってきたように聞こえる。ああ。寝袋を深くかぶり何も聞こえないようにする。
そしてそんなことを続けていたらまたうつらうつらと。すると突然、換気用に開けていたらガラス上部の隙間からすーっと何かが私の中に入ってくる感じがした。 体が思うように動かなくなり、これはやばいとなぜか解らないが息をフーフー吐き続ける私。体が硬直していたがやがて自由になることができた。
こうなったらもう暗いうちから行動なんてできたもんじゃない。早く明るくなれー!と念じながら、寝袋に潜り込み続ける。

そして、またバタンと話声。(もうやめてくれー!)と思ったが、なんとなく明るい。ん?と顔を出すとすっかり夜は明けていた。2つ横には車が停まっており、運転手は降りて山を登る準備をしている。
時間は6時半を過ぎている。明るいってこんなにありがたかったんだなぁとしみじみ思った。

富士山は毎年数人の人が亡くなっている。ここから出発して帰らぬ人となった場合も多いだろう。

でもね、ドアの音も話声も風のしわざ。金縛りっぽいのも車中泊って環境のせい。何かが入ってきた?そりゃ隙間から吹き込んできた風さ。
と思っています。じゃないと恐くて山なんか行けなくなるじゃない。
車中泊は多いですが、似たようなことは以後1度しかありません。うん、たった1度だけね。。。