権現岳・赤岳周遊 2715m , 2899.2m 08.07.12
晴れ

天女山P5:05−権現岳8:35−赤岳11:40−県界尾根−美し森ファーム(たかね荘)14:55−
羽衣の池15:10−天女山16:40

きついコースになる白山縦走を控え、最近のふやけた体に喝をいれねばと甲斐駒黒戸を考えたが、今の体には無理だろうと思い直し、 最初に頭に浮かんだのが八ヶ岳の権現岳。でも、権現だけでは短いので、その先のツルネに咲く駒草が見頃かな?と思い、 ツルネのピストン予定で出かけたはずだったのですが、これがまた欲張ってしまって。。。

天女山の山頂駐車場には車が一台。出発してすぐの天ノ川原からは、雲がかかった南アの峰々が一望。鳳凰と北岳は姿を見せている。 甲斐駒や仙丈にかかる雲もじきにとれそうだ。登っていくと程なく単独男性を抜いた。駐車場のもう1台の方だろう。

天女山駐車場 天の河原 朝方の登山道
天女山駐車場 がら〜ん 天の河原 南アの展望台 朝方の登山道

朝方で虫が少なく気持ちが良い登山道だが、やはり足が重く、ここ数ヶ月急登を味わっていない体にはきつい。 日帰り装備でこれだものなあ、、、と、がっくり。

それでも、山の花が代わる代わる現れて、夏の訪れを感じられる登山道を行くのは楽しい。

イブキジャコウソウ シモツケ ミヤマカラマツ ヨツバシオガマ
イブキジャコウソウ
伊吹麝香草 シソ科
シモツケ 下野 バラ科 ミヤマカラマツ 深山唐松
キンポウゲ科 開き始めです
ヨツバシオガマ 四葉塩竈
ゴマノハグサ科

ムカゴトラノオ キバナノコマノツメ タカネグンナイフウロ ハクサンチドリ
ムカゴトラノオ
零余子虎の尾 タデ科
キバナノコマノツメ
黄花の駒の爪 スミレ科
タカネグンナイフウロ
高嶺郡内風露 フウロソウ科
ハクサンチドリ 白山千鳥
ラン科

タケシマラン ミツバオウレン ゴゼンタチバナ コイワカガミ
タケシマラン 竹縞蘭
ユリ科
ミツバオウレン 三葉黄蓮
キンポウゲ科
ゴゼンタチバナ 御前橘
ミズキ科
コイワカガミ 小岩鏡
イワウメ科


権現岳−阿弥陀岳−赤岳

三ッ頭に出ると、権現岳が青々としてすっかり夏山の姿。阿弥陀−赤も青空に映えてきれい。

稜線は風が強くて汗まみれの体に気持ち良かった。
三つ頭より

権現山頂部 編笠山
権現山頂部 編笠山

クロユリ 権現岳山頂
クロユリ 黒百合 ユリ科 権現岳山頂

権現岳山頂付近は高山の花も多く、クロユリが元気に反り返って咲いている姿がかわいい。

ミヤマシオガマ ミネウスユキソウ ミヤマダイコンソウ ハクサンイチゲ
ミヤマシオガマ 深山塩竈
ゴマノハグサ科
ミネウスユキソウ
峰薄雪草 キク科
ミヤマダイコンソウ
深山大根草 バラ科
ハクサンイチゲ 白山一華
キンポウゲ科

ムシトリスミレ クモマナズナ イワベンケイ イワヒゲ
ムシトリスミレ 虫取菫
オオバコ科
クモマナズナ 雲間薺
アブラナ科
イワベンケイ 岩弁慶
ベンケイソウ科
イワヒゲ 岩髭 ツツジ科


阿弥陀−中−赤

山頂の先の分岐で、いつもの景色を見ながら、おにぎりタイム。今日はここまで1人を抜かした以外は、誰にも会っていない。 こんな素晴らしい景色なのにね。

大好きなこの頂は、いつまでもこんな風に静かでいてほしい。
阿弥陀−中−赤

2つめのおにぎりを食べ終わる頃、周囲はあっという間にガスの中へ。

あの長い鉄梯子を下ってツルネへ。鉄梯子が冷た過ぎて、素手では握っていられなかった。 途中、年配のご夫婦とすれ違ったあと、旭岳の山頂を巻いて下っていくが、以前の記憶が少し曖昧だったらしく、ツルネまでウソみたいに下る。

長〜い、鉄梯子 旭岳付近 中央のはげた辺りがツルネ
長〜い、鉄梯子 旭岳付近 中央のはげた辺りがツルネ

イワウメ ツガザクラ チシマアマナ コケモモ
イワウメ 岩梅 イワウメ科 ツガザクラ 栂桜 ツツジ科 チシマアマナ 千島甘菜
ユリ科
コケモモ 苔桃 ツツジ科

ツルネに来る頃には前方のガスが切れて、赤岳が、天狗尾根の大小天狗を従え、目の前にどっしりと座っていた。


ツルネの駒草

今日の目的だったコマクサも、登山道の両側に咲いている。規模は小さいが、ロープなど無く山中の一角にひっそりと咲いているのがいい。

コマクサ 駒草 ケマンソウ科
駒草

またおにぎりを食べて、帰りのCTは何時間だろうかと、エアリアを広げて日除けにする格好で寝転んだ。

で、ぼーっと考えていたら、なんだか権現に登り返すのも面倒になってきた。 赤岳まで2時間ちょっとだし、以前キレット小屋でテントを張った時も、真教寺尾根を下って天女山まで歩いて戻っているし、 時計はまだ10時前だし、、、えーい、赤岳行っちゃえー!

そうとなったら、ここまで写真を撮りながらのんびり歩いていたモードを切り替えて、赤岳山頂12時を目標に早速歩き出した。

キレット小屋は改装中。小屋脇のコマクサ畑は一面ピンク色に染まっていた。白花も3,4株ある。ここもいい頃合いでうれしい。

キレット小屋と駒草畑 紅白の駒草
キレット小屋と駒草畑 紅白の駒草

赤岳 キレット小屋の先より 赤岳山頂拡大
赤岳 キレット小屋の先より (赤岳山頂は一番左) 赤岳山頂拡大

さて赤岳への直登。こういう時にかぎってまた陽射しがきつくなる。そこここに咲く駒草も暑そうにしている。 この斜面はこれで2度目だが、けっこう恐い。下りでは使いたくないと前に思ったことを思い出した。登山地図に危険マークが無いのが不思議だなあ。

ルンゼ状の岩場をひたすら登り 気付けば目線の高さに中岳が 覆い被さるような岩の中をよじって
ルンゼ状の岩場をひたすら登り 気付けば目線の高さに中岳が 覆い被さるような岩の中をよじって

中央右に出口が見えた! 出口からは大小天狗 見下ろすと遥かキレット小屋
中央右に出口が見えた! 出口からは大小天狗 見下ろすと遥かキレット小屋

稜線に出てからは、岩場の花を愛でながら空中散歩。

こんな稜線です 赤岳山頂は直前まで見えません
こんな稜線です 赤岳山頂は直前まで見えません

チョウノスケソウ ミヤマオダマキ ヤツガタケキスミレ タカネツメクサ
チョウノスケソウ
長之助草 バラ科
ミヤマオダマキ 深山苧環
キンポウゲ科
ヤツガタケキスミレ
八ガ岳黄菫 スミレ科
タカネツメクサ 高嶺爪草
ナデジコ科

赤岳山頂直下まで来ると、人がばばっと現れだした。美濃戸口から登るのが大勢なのだろうね。今日のような週末でも、こちらのコースは3人しか会わないぐらい静かだったのに。 あ、よく考えたら、キレット小屋が営業していないから余計に歩いていないのかな?

赤岳山頂も小屋前も混んでいた。いつ来ても赤岳の山頂は残念な感じ。なんでここに小屋があるのか? 標高でも山域の規模でも、日本で指折りの山なのに、その最高峰の頂にこんな小屋があるんだもの。おかしい話だ。

赤岳山頂と小屋 横岳方面と眼下に赤岳展望荘
赤岳山頂と小屋 横岳方面 眼下に赤岳展望荘 頂上小屋前より

小屋前で4こめのおにぎりを食べ終わり、出発するかとエアリアを見たら、県界尾根でも天女山へ戻られることに気付いた。 まだ歩いたことがない尾根か、こりゃいい案だ!、と少し遠回りの尾根へ歩き出す。

何か、たがが外れてしまったような。今日の自分はちょっとおかしい。立ちくらみもするし、頭がずっと重い。 今週は献血していたから、激しい運動はよくなかったのかもしれないな、と今さら思った。

さて、県界尾根の下りは、なかなか手ごわい。こちらもクサリ・鉄梯子の連続。真教寺尾根も道は悪いが、それよりも険しく感じる。 下りで使うのなら、県界尾根は初心者だけでは止めておく方が無難だろう。

クサリが付いた斜面を下りて 鉄梯子の階段になって
クサリが付いた斜面を下りて 鉄梯子の階段になって

浮石だらけで人が居ないか確認しながら 鉄梯子で垂直に下りて
浮石だらけで人が居ないか確認しながら 鉄梯子で垂直に下りて

クサリ場は、疲れた足腰ではふんばりが利かなくて、初めての道で神経も使ったこともあり、思った以上に疲れた。

鎖地帯の後は樹林帯のほっとする道。上空はガスが垂れ込み、じめっとした空気の中を、虫を振り払うように急いで歩く。

平和な道だな 大天狗 県界尾根の向こうのぽっこりが小天狗かな?
平和な道だな 大天狗 県界尾根の向こうのぽっこりが小天狗かな?

稜線から下り始めた頃は、登ってくる物好きがぽつぽついたが、樹林帯に入ってからは時間的にも人も居なく、また静かな道だった。

少天狗前後で少し迷ったが、奥に進めば立派な道標があってほっと一息。

低木帯のいい道 小天狗 小天狗先の分岐 「清里」の文字が〜
低木帯のいい道 小天狗 小天狗先の分岐 「清里」の文字が〜

分岐の道標に従って清里方面へ降りる。湿った熊笹の道は、いかにもなので、鈴を鳴らしながら大げさに歩いた。 途中、なぜか普段着の日本人と外人の混合チームが。「アト、どのくらいデ見えまカ?」の質問に、「今日はもうダメですよ」と、やさしく答える。 あの人達は何したかったのだろうか・・・。

滑りやすい湿った道を下る 小天狗の分岐から30分で登山口 川沿いの道を歩いて行くと車道に出る
滑りやすい湿った道を下る 小天狗の分岐から30分で登山口 川沿いの道を歩いて行くと車道に出る

車道には路駐の車が数台。ここを入山口としている人もそれなりにいるんだな。

そのまま車道を下り、スキー場の入り口をやり過ごし、美し森ファームへの道へ入る。登山地図には”たかね荘”と書いてある建物が、” 美し森ファーム” という名前になっているので注意。

自販機を探したが見当たらない。建物の中に入るのもいまさらな感じがして、そのまま「羽衣池入口 徒歩15分」の道標に従って歩いた。

美し森ファーム(たかね荘) 羽衣池手前の登り 羽衣池
美し森ファーム(たかね荘) 羽衣池手前の登り 羽衣池

羽衣池へ着いて最後のおにぎりタイム。あとは度々出てくる「天女山」と書かれた道標通りに進む。

途中、牧場の中を2回ほど歩くことになるが、草原で草を食べる牛たちの向こうに、斜陽に霞む権現や赤岳などが一枚の絵になって、 なんともいえない達成感に包まれた。

天女山へ 八ヶ岳横断歩道 川俣川を徒渉 牧場の牛くん
天女山へ 八ヶ岳横断歩道 川俣川を徒渉 牧場の牛くん

八ヶ岳横断自然歩道の展望台にて
八ヶ岳横断自然歩道の展望台にて

テーブルが設置された展望台にて最後の休憩。ザックを置いて「こんな場所もあったっけなぁ」と以前の山行を思い出す。

羽衣池の近くで、普段着のご夫婦と会ったっきりで、歩いてきた道は忘れ去られた場所のようだった。まったく、今日一番、物好きな奴はオレだなと笑えてきた。

展望台 おお、天女山駐車場への車道が出た〜 天女山
展望台 天女山駐車場への車道が出た〜 天女山

天女山へは山道を登って到着。権現岳も夕日に霞んで見えていた。

たんに、マイカー日帰りで、歩けるところを繋いで歩いただけなのだが、こんな歩き方はあんまり誰もしないだろう。

こんな歩きができる環境と体力があるうちは、自分で考えたコースを自由に歩いておきたいな。


山梨百名山へ HOME