鬼怒沼から尾瀬沼へ
 −沼繋げの山旅−

 2008/10/04-05
1日目:大清水−物見山−鬼怒沼−尾瀬沼ヒュッテ(天泊)
2日目:尾瀬沼ヒュッテ−大清水

1日目 10/04
大清水1200m     5:30
湯沢出合1330m    6:10/6:15
物見山2113m     8:05/8:25
鬼怒沼2020m     8:45/09:25
鬼怒沼山往復2141m  9:45/10:05
小松湿原        11:15/11:25
黒岩山分岐       12:05/12:15
赤安清水        13:20/13:25
小淵沢田代1820m  14:25
尾瀬沼ヒュッテ(天泊) 15:30

尾瀬のエアリアを広げてみると、地図の右下には鬼怒沼という湿原の台地があり、 大清水からの登山道を目で追って行けば、ぐるりと尾瀬沼まで繋がっているのが分かる。 尾瀬の地図を見る度に、いつまでも残るこの区間が気になっていた。そんなところに、 山の秋が良い頃合いの週末に、山行の話が持ち上がったので、これ幸いと、鬼怒沼と尾瀬沼とを繋げる山旅に決めた。

大清水−鬼怒沼−小淵沢田代−尾瀬沼のCTは約12時間。 天泊ならば途中の幕営適地で張るのが一般的らしいが(このコース自体あまり一般的ではないけど)、 生ビールを飲みながら過ごす山の夕は絶対外せないので、1日で尾瀬沼まで歩き通すスバラシイ計画だ。

今回はしげぞうさんと2人なので、荷物も軽かろうというもくろみのはずが、 ワインや梅酒や焼酎やツマミ類で、なんだか思っていたよりも重いザックの出来上がり。 ま、1天泊なんてそんなもん。

夜明け前の大清水 鬼怒沼への道標 林道に入ります
夜明け前の大清水 鬼怒沼への道標 林道に入ります

大清水駐車場から、いつもと反対に歩き出して「鬼怒沼 6.0K」の道標通りに進む。 最初のピークの物見山までは約900mの登り。意外とある。 林道+ちょっとの山道を速めに歩き、40分で湯沢出合の渡渉点に到着。 ここから物見山まで800mの長い急登が始まる。

林道の舗装は最初だけ 湯沢出合の渡渉点 いきなり木の根が絡まる急登が始まる
林道の舗装は最初だけ 湯沢出合の渡渉点 いきなり木の根が絡まる急登が始まる

いつもはすぐに離されてしまうのだが、今日は体調がすこぶる良く、共にがつがつ登り続けて、 CT3時間の急登を2時間切って物見山に到着。

途中で物見山が見える 険しい道もあります 物見山山頂は樹林帯
途中で物見山が見える 険しい道もあります 物見山山頂は樹林帯

物見山から少し下ると右に道が分かれ、湿原へ木道が続いている。もちろん鬼怒沼を散策するため木道へ進むと、 開けた草紅葉の向こうに、日光白根山がニョキッと突き出た展望が広がった。 澄みきった秋の青空と、風に揺れる草紅葉、水鳥が立てる池沼のさざなみとキラキラ光る水面、 もう〜〜美しくて、たまらない景色!

日光白根山へ続く木道 池沼に映る青空がきれい
日光白根山へ続く木道 池沼に映る青空がきれい

鬼怒沼。
鬼怒沼。右に日光白根、左は大嵐山・根名草山かな。

池沼と木道 燧ヶ岳遠望
池沼と木道 燧ヶ岳遠望


なんて心休まる場所なんだろうかと、写真を撮ったり行動食を食べながら、ゆるゆるになってしまった。 しばらくすると、日光沢温泉からの登山者がちらほら現れ出した。 いつの間にか時間が過ぎて、物見山までに溜めた貯金が無くなりそうだ、あわてて出発。

鬼怒沼山方面へ斜めに入った細い木道を行くと、森と湿原の境目に鬼怒沼巡視小屋がある。 避難小屋代わりに使用できるが、小屋の内部は3辺にベンチ状の板間が並んでいるだけで、下はコンクリむき出し+中央に焚き火場。 厚いベニヤが中に立て掛けてあるので、それを敷いて寝るのかな?トイレも無いので基本は使用不適な小屋だと思う。

鬼怒沼巡視小屋 巡視小屋内部 鬼怒沼山頂
鬼怒沼巡視小屋 巡視小屋内部 鬼怒沼山頂

鬼怒沼山から日光方面を望む。 鬼怒沼山から日光方面を望む。

山頂は樹林に囲まれているが、日光連山の方向だけは展望がある。

鬼怒沼山のピークを空身でピストンし、下りで道を見失いそうになりながら無事戻り、 先を急いで歩き出したが、ここからが辛い道のりだった。

まず、展望が一切無い。山行前に思い浮かべていたのは、所々に湿原や展望地が現われて、 妖精が遊んでいそうな風景をイメージしていたが(そんな牧歌的な考えを持っているほうがバカなのかも)、実際はひたすら樹林帯が続く。 地図にある小松湿原も全く見えず、倒木も多く踏み跡も見失いがち。 そして、私が携帯していた地図は5年前のエアリアだったが、書かれているコースタイムが辛いこと辛いこと! しげぞうさんが持っていた新しい地図は、時間が長くなっていたけど、それでもきつい設定だった。 こんなことじゃ明るいうちに生ビールが飲めないかも!と気があせって、黒岩山の分岐からはアホみたいに飛ばした。

最初は踏み跡がしっかりしていたのだが・・ 黒岩山 山頂部に岩が見える はて道はどこじゃ?
最初は踏み跡がしっかりしていたのだが・・ 黒岩山 山頂部に岩が見える はて?道はどこじゃ?

「小松湿原」と書かれた青い道標まで行くと、斜面の下に赤布が見える。降りていくと水場があり、 湧き出すそばからカップですくう様な汲みにくい水場だが、非常に冷たくクリアで良い水だ。

小松湿原の道標 岩穴から湧き出す水 小松湿原の幕営適地は1張程度
小松湿原の道標 岩穴から湧き出す水 小松湿原の幕営適地は1張程度

黒岩清水は2張程度の幕営適地のそばに水場あり。 木をかき分けて腕を伸ばしてすくう感じなので、飲んでみなかった。

黒岩清水の幕営適地 この辺りは特に倒木がひどかった 黒岩山の分岐
黒岩清水の幕営適地 この辺りは特に倒木がひどかった 黒岩山の分岐

途中ですれ違ったご夫婦は、日光沢から黒岩山のピストンだった。 話を聞くと、黒岩山のピークは360度の展望とのこと。 確かに樹林間から見えた頂には岩が見えていた。 このコース唯一の展望地らしいが、黒岩山分岐から山頂までも倒木が多く、 往復1時間かかったとか。 今回は時間的に無理だと判断して巻いたが、また機会があれば訪れてみたい。

黒岩山の巻き道 赤安清水の天場適地 電発記念碑
黒岩山の巻き道 赤安清水の幕営適地2張りほど
水場は斜面を降りるようなので確認しなかった
電発記念碑

だるさMAXな足でひたすら歩き続けると、やがて上空に送電線が見え、背丈ほどの笹原に出たところが電発記念碑。 そこからもう一頑張りで小淵沢田代に到着。もう遅い時間なので貸し切りの湿原だった。

小淵沢田代 意外と広い湿原だ
小淵沢田代 意外と広い湿原だ

朝に登った物見山が見える
朝に登った物見山が見える。小淵沢田代より。

尾瀬沼まで一山越えるのがかなり辛く、やっとの思いで天場に出たときには、嬉しくて嬉しくて、そして、飲みたくて飲みたくて。

尾瀬沼キャンプ場(尾瀬沼ヒュッテ裏) 燧ヶ岳。尾瀬沼湖畔より。
尾瀬沼キャンプ場(尾瀬沼ヒュッテ裏) 燧ヶ岳。尾瀬沼湖畔より。

テントを張り終えて、尾瀬沼ヒュッテの表のテーブルでつまみを並べ、生ビールで乾杯した瞬間は、 充実した山行後の達成感で最高な気分!明日はちこっと降るだけだしね。ここまで歩いてよかった〜!

尾瀬沼ヒュッテ 生じゃー!ツマミ:しげ定番ツナきゅうり ウインナーの網焼きやワンタンスープ等など
尾瀬沼ヒュッテ 生じゃー!
ツマミ:しげ定番ツナきゅうり
ウインナーの網焼きやワンタンスープなど

日没間際、カメラ片手に湖畔の散策に出た。

尾瀬沼 沼尻方向を見る
日没後の尾瀬沼

沼上の月
沼上の月

沼に浮かぶ小舟が寂しげでした。


テントに河岸を移して

明日の朝は寝坊すると決め込んで、しっかり二次会です。
テントに河岸を移して


2日目 10/05
尾瀬沼ヒュッテ     8:30
大清水P       11:25


翌朝はすっきりしない天気。朝もやの尾瀬沼や大江湿原などを散策して、完全に明るくなってから朝食にした。

大江湿原の三本カラマツ
大江湿原の三本カラマツ

定番な絵ですね。

燧ヶ岳 大江湿原に伸びる大江川
燧ヶ岳 大江湿原に伸びる大江川

色付いて明るくなった森の中をのんびりと下山。

一ノ瀬休憩所で食べたキノコ汁が美味しかったです。
色付いて明るくなった森の中をのんびりと下山した。

補足ですが、今回のコースはエスケープルートが無く、 ビバーク装備無しで入るのは止めておいた方がよいでしょう。 でも、倒木が多いといっても、好天を選べば道を完全に見失うことはないと思います。

展望無しの道がひたすら続き、とにかく長いので安易にオススメしませんが、 非常に山深く静寂が支配する道は、私にとって楽しい歩きでした。
  尾瀬・日光へ