熊沢田代・尾瀬沼 2677m  07.09.22-23
1日目 07/09/22
尾瀬御池         6:05
熊沢田代         7:40
燧ヶ岳          8:50 9:15発
尾瀬沼ヒュッテ(天泊) 11:30
(尾瀬沼キャンプ場)
尾瀬には毎年何度も出かけるようになったが、代表的な入山口の一つである御池(みいけ)からの入山はまだだった。 場所が山深いことで知られる福島県の桧枝岐村のさらに奥というアプローチの遠さが理由なのだが、今回、上田代や熊沢田代などの傾斜湿原を見てみたくて、 パッとしない天気予報だったが出かけることにした。

5時間近くかかって御池に到着。自宅からの距離は約280kmなのだが下道が長すぎるので時間がかかる。 2時間ほど車中で仮眠し、明るくなった御池をうろついてから出発した。

尾瀬御池 尾瀬御池

夜行バスが続々と到着し、ここで降りる人や、沼山峠休憩所までバスで行く人などで、早朝から賑わっている。

土産物屋も営業開始している。一角にはモンベル製品を扱っているスペースもあり、簡単な山装備も売っていた。

燧ヶ岳と三条ノ滝の分岐

登山道へ歩き出すと、すぐにこの分岐が出てくる。

上空の雲は早く流れ、どちらに転ぶか分からない空模様だ。 明日は降られることを覚悟しているので、今日の行動中はなんとかもってもらいたい。
燧ヶ岳と三条ノ滝の分岐

登山道は木道がすぐに終わり、木の根や石ごろが段差になっている本格的な登りになる。 山の経験の無い人が、いわゆる(尾瀬なイメージ)で来ると「聞いてないよ〜」となるかもしれない。 朝方で静まり返った森は熊にバッタリしそうな気配が漂っている。熊鈴を急いで取り出した。

しばらく行くと樹林帯を抜けて目の前が開けた。ああ、ここが広沢田代か。 ガスの中で全容は掴めないが森の中にぽっかりと広がっているようだ。 草紅葉は始まったばかりという感じ。上の熊沢田代の草紅葉が期待できる。

ガスが薄れて幻想的 広沢田代 キンコウカの紅葉
ガスが薄れて幻想的 広沢田代 キンコウカの紅葉

立ち止まって写真を撮っていると、続々と御池からの入山者が登って来る。 次回晴れの日を期待して、ここは早々と立ち去ことにした。

広沢田代俯瞰 広沢田代俯瞰

登るにつれ、ガスは上空に上がっていくが、前方、燧ヶ岳はまだ雲の中だ。

見下ろすと、広沢田代がぽっかりと森の台地に広がっているのが見える。 大きな池塘が幾つもあり、今頃あの湿原に到着した人は、いい景色に顔がほころんでいることだろう。

そろそろかな?と思いながら、空が広くなった低木帯を抜けると、感嘆の声があがる見事な景色が現われた。

熊沢田代 熊沢田代

ふう、ぎりぎり雲があがってくれた。これが見たかったんだよなあ。

木道をゆっくりと歩く、それだけでも嬉しさがこみ上げてくる風景だ。

なるほど、傾斜湿原と言われる通り、木道は登りとなって上へ続いている。早くも色付いた草紅葉が、差し込み始めた光にきらめいていた。 中央部には2つの大池があり、この田代のアクセントとなっている。休憩スペースの木道広場でくつろぐ人々は皆笑顔で楽しげだ。

越後の山

池越しに今年登ったばかりの越後駒ヶ岳と中ノ岳が見える。 右に大きくギザギザな峰を見せているのは荒沢岳だろう。 あの山もいつかは登らなければ。
越後の山

少し上に行ってから見下ろせば、尾瀬の写真で何度か見たことがあるアングルになった。 晴れの下この湿原を歩くことが出来ただけでも今回御池まで来た甲斐があったというものだ。

後ろ髪引かれる熊沢田代
後ろ髪引かれる熊沢田代

何度も振り返って

明日は別コースで御池に戻る予定なので、熊沢田代の美しい湿原を名残惜しんで、何度も振り返りながら登る。

熊沢田代の向こうには、なだからな姿の会津駒ヶ岳も見えてきた。あの山も草紅葉真っ最中だろうな。
何度も振り返って

団体さんの中には、きのこや植生などを、ガイドさんに説明してもらいながら、のんびり歩いているグループもあり、そんな山もいいなと感じた。 しかし、道が岩ごろの急登となると、疲れて岩に座り込んでいる人も目立つようになり、やはり山を歩き慣れてない人の入山も多いんだなと感じた。

ガスが薄れて幻想的 岩ゴロの急登 眼下には熊沢田代、右に東田代かな?
美味しいらしいきのこ
でも国立公園なので採っちゃダメ
岩ゴロの急登 眼下には熊沢田代、右に東田代かな?

ガスが晴れると右手に柴安ー(しばやすぐら)が突き出していた。俎ー(まないたぐら)まではもうわずか。

俎ー(まないたぐら)

久々の俎ー。山頂は薄いガスが取り囲み、ほどよい風が気持ちのいい頂だった。 大勢が憩っているが軽装の人も多く、ほとんどの人が日帰りなのだろう。
俎ー(まないたぐら)

柴安ーと尾瀬ヶ原 尾瀬沼を見下ろす
柴安ーと尾瀬ヶ原
燧ヶ岳の最高点は柴安ーです
尾瀬沼を見下ろす
あのミノブチ岳も爽快なピークだ

秋空 秋空

早い昼食で腹ごしらえをして尾瀬沼へ降り始めた。ミノブチ岳は日が照りつけて暑い。

空は秋の風情な雲が浮かび、秋空に映える燧ヶ岳がとてもきれいだ。

登山道は鬱蒼とした針葉樹林帯に入り、秋なのに紅葉の一つもない森でちょっと味気ないが、木漏れ日の中を森林浴をしながら歩くのが心地いい。 あやしげなきのこで遊びながら、沼までぽくぽく歩いた。

針葉樹の涼しげな森 指で押したらプシューっと出るんだもの 変な色のきのこ。絶対うまくないと思う
針葉樹の涼しげな森 指で押したらプシューっと出るんだもの 変な色のきのこ。絶対うまくないと思う

沼に出ると燧ヶ岳に雲が無くなった。頂上でゆっくりしていればよかったかな?と思うが、まあ、大江湿原をまったり歩いて、天場へ向かうとしよう。

燧ヶ岳 浅湖湿原より 大江湿原に入る 大江湿原 長蔵小屋方面
燧ヶ岳 浅湖湿原より 大江湿原に入る 大江湿原 長蔵小屋方面

エゾリンドウ 蝦夷竜胆 気持ちいいなあの 三本カラマツ まだ緑色だ
エゾリンドウ 蝦夷竜胆
リンドウ科
気持ちいいなあ 三本カラマツ まだ緑だ

大江湿原を散策した後、尾瀬沼ヒュッテへ向かう。尾瀬沼の天場はしばらく工事で閉鎖されていたが、 テントサイトが全てウッドデッキ製になり、事前予約制(窓口:尾瀬沼ヒュッテ)として、新たに今年から再開となっていた。

テント泊好きの間では(予約制の天場なんて聞いたこと無い!)と異論が出ていたが、まあ、尾瀬という土地柄、自由気ままなテント派にも、謙虚さを心の中に忘れない為にも(私のことを言ってるんですけどね)、 それもありかな?と思ったので、私も一度張ってみないことには判らないと、今回の目的の一つにそれがあった。

尾瀬御池 尾瀬沼ヒュッテ

沼から少し高台になる場所に建っている。

玄関に入ると真新しいテントの案内板が置かれていた。

テントサイトは、尾瀬沼ヒュッテから小淵沢田代方面への木道を進んだ木漏れ日の林内にある。 ウッドデッキは28箇所あり、着いた順に1番から番号を割り当てられ、私は3番目だった。

張ってみました

もちろんペグは禁止で、張り綱はデッキの側面に付いてい金具に引っ掛ける。デッキは大きいので、小型テントだと張り綱が短くてうまく張れないと思う。 私も3本だけ張って残り1本は妥協することにした。風が当る場所ではないので、荷物を入れておけば問題無いだろう。
燧ヶ岳と三条ノ滝の分岐

私のはソロのテントなので、やけにデッキが大きく見え、デッキの隅っこに張ったテントが何か貧乏臭くなってしまった。

小屋の人に聞いたところ、今年はまだ満杯になってないらしいが、キスゲの頃はほとんど埋まったらしい。 もちろん予約で完全に埋まってなければ、ふらっと来ても幕営することは可能だが、この後の秋の連休など混雑が予想される日は事前に予約が必須だろう。 再開になったばかりなので、来年はもっと混むのでは?と思う。

尾瀬沼、燧ヶ岳 長蔵小屋裏から 大江湿原 長蔵小屋裏から
尾瀬沼、燧ヶ岳 長蔵小屋裏から 大江湿原 長蔵小屋裏から

設営後は長蔵小屋周りをちょっと散策してから、テントへおつまみを取りに戻り、いつもの如くお楽しみな時間。 ヒュッテ前は板張りの広場になっており、テーブルが何組も置かれている。燧ヶ岳の見晴らしも良く、この青空がなんだかリゾート気分にさせてくれている。 さーてと、飲む前にほんの少し迷う。実は今日は待ち人ありなのだ。

この連休に北アルプスを単独で縦走する予定だったまゆ太さんが、天気予報が悪くなり、 急遽、尾瀬沼天泊に計画変更するとの話を出発直前に聞いていた。「ザックにお酒積んでいく〜おつまみ持っていく〜」とのことで、今日はたくさん飲めそうだ。 確か富士見下からなので、まゆ太さんの足なら、そろそろ着きそうかな?

生ビールー! 生ビールー! ジョッキは”尾瀬人”

やっぱり我慢は体に悪いし、事前に体を作っておこうということで、幕営手続きの時に目にしていた生ビールをお先にグイっと。

・・・だー、うますぎるー!

生や500缶など飲んだら、けっこういい気分。日差しがきついので、タオルを顔にかけて、そのままベンチで眠る。通り過ぎていく風がさわやかだ。こんなんが一番好きだなあ。

どれくらい経ったか、気付けば、寝ぼけ眼の向こうにまゆ太さんがご到着。初めての1人天泊らしいが、7日間の天泊縦走など、数多くの山をご夫婦でやられているので、何の問題も無く設営完了。

それからは、まゆ太さんご持参のおつまみやワインなど、私も日本酒を出して大いに飲み食べ笑い、山に関係する話ばかりなのに話題が尽きること無く、夜遅くまでプチ宴会が続いた。

つまみは燻製やバケットとチーズなど あっという間に夕方になり・・ いつの間にかおぼろ月夜に・・
つまみは燻製やバケットとチーズなど。ごちです! あっという間に夕方になり・・ いつの間にかおぼろ月夜に・・

20:30ごろ撤収

気が付けばヒュッテの夕食時も過ぎて、小屋泊の人が外でくつろいでいる時間になっていた。

ビールやチューハイを何本か追加しながらかなり飲んでしまった。 最後の最後に「シメはやっぱりチューハイ♪」とまた飲んだり。山の人は、ほんと酒好きだなあ。
20:30ごろ撤収


2日目 07/09/22
尾瀬沼ヒュッテ      7:00
皿伏山分岐        7:40
沼尻(ぬじり)      8:10
大江湿原         8:45
沼山峠          9:50 →シャトルバス→ 御池

翌日は小雨が降ったり止んだりという予報通りな空模様。 雨のテント撤収は嫌なものだが、下がウッドデッキのお陰で、テントに泥汚れなど無しできれいに撤収できた。 一気にウッドデッキのファンになっちゃった。

まゆ太さんは、こんな天気だというのに尾瀬沼−皿伏山−白尾山−アヤメ下と、尾瀬でも一番渋いコースで帰るとのこと。 確かに沼から富士見下へは最短コースだし、コース的には展望があるわけでも無いので、雨の日の静寂の森を楽しめると思うが、 人影は稀だし、滑り易い朽ちた木道もあるし、女性1人で大丈夫かなあとちょっと心配。

早朝の尾瀬沼 燧は雲の中 すっごい笑顔の人 尾瀬沼は真っ白け
早朝の尾瀬沼 燧は雲の中 すっごい笑顔の人 尾瀬沼は真っ白け

じゃーまたねっ! じゃーまたねっ!

尾瀬沼との分岐から皿伏山方面の鬱蒼とした森へ、ガシガシ登って行くまゆ太さん。

まあね、私よりいろんな山へ登っているんだもの、そんな心配は無用な感じで、力強く森の中へ消えていきました。

さて、私の方はというと小雨でいまいち歩く気がせず、原へ出るのは止めて沼山峠へ下山することに決めた。 ここからだと短い行程だが、歩いたことが無い道なので、それもまた良しと今日は楽に行こう。

沼尻休憩所

まだ朝っぱらなのに、この様な天気の為か、中はかなり混雑していた。 雨宿りがてらまったりしようと思ってたが、気分が乗らずそのまま素通り。
沼尻休憩所

雨の風景もまた楽し 尾瀬沼 対岸は三平下 大江湿原に帰ってきた
雨の風景もまた楽し 尾瀬沼 対岸は三平下 大江湿原に帰ってきた

沼尻では、沼の対岸が見えていたのに、大江湿原の中を抜ける頃にはガスが濃くなってまっしらけ。でも、白いスクリーンに三本カラマツがふわっと浮き出る絵も悪くない。 こんな天気も尾瀬には似合っている。

小雨の大江湿原
小雨の大江湿原

大江湿原末端から湿原の見納め ダケカンバからナナカマドが生えてます 歩きやすい木道が続く
大江湿原末端から湿原の見納め ダケカンバからナナカマドが生えてます 歩きやすい木道が続く

沼山峠まではゆるやかに登り、バス停となる沼山峠休憩所へは下りになる。この間はずっと木道なので、木道歩きに慣れていないと意外と疲れそうなコースだ。

沼山峠へ向けて木道の登り 沼山峠 沼山峠休憩所
沼山峠へ向けて木道の登り 沼山峠 沼山峠休憩所

バスの時刻は調べていなかったが、この時期はバスの本数は多く、そう待たずとも発車時刻になった。 御池に着いたら土産屋に並ぶ品を吟味し晩酌のあてを購入。

東京への帰りは多少短く感じたが、やっぱり長かった。次回来る時には会津駒から御池まで縦走したいな。
尾瀬・日光ヘ