尾瀬ヶ原・尾瀬沼  05.10.22−23

1日目 富士見下P(06:20)−富士見小屋(08:00)−アヤメ平−竜宮十字路(09:50)−尾瀬ヶ原散策−
    見晴(11:15)−沼尻−大江湿原散策−長蔵小屋(14:10)

2日目 長蔵小屋(07:35)−見晴(09:45)−中田代周遊−竜宮十字路(12:40)−アヤメ平(15:00)−富士見下P(16:45)


1日目
草紅葉も見頃を過ぎ、紅葉も下まで降りてきてしまっていると聞いたが、やはり、秋色の尾瀬ヶ原を見たいという思いで、小屋泊のつもりで一番小さいザックに荷物を詰め込んで出かけてみた。

富士見下駐車場 富士見下−富士見小屋間の紅葉1 富士見下−富士見小屋間の紅葉2
富士見下駐車場 富士見下−富士見小屋間の紅葉1 富士見下−富士見小屋間の紅葉2

富士見下では車が1台っきり。元々入山者が少ない登山口だが、晩秋の曇天の天候では余計に淋しげに感じる。しかしすぐに秋色の木々の美しさに1人楽しさを噛みしめるように歩いていた。

富士見小屋 アヤメ平 樹林の間から見下ろす尾瀬ヶ原
富士見小屋 アヤメ平 樹林の間から見下ろす尾瀬ヶ原

富士見小屋まで上がってくると辺りは小雨混じりの濃霧に包まれた。小屋の営業期間は終わっているらしく板戸で囲われている。 アヤメ平に寄ってみると、真っ白で時間が止まった世界のようだ。尾瀬ヶ原に下りていくと木々の隙間から、茶色の湿原の中に竜宮十字路が見える。 ブナの大木の間を降りて目の前に尾瀬ヶ原が広がる頃にやっと挨拶が出た。

長沢尻付近の紅葉 竜宮十字路より中田代方面 竜宮十字路より龍宮小屋
長沢尻付近の紅葉 竜宮十字路より中田代方面 竜宮十字路より龍宮小屋

アヤメ平の様子で判っていたことだが、至仏山も燧ヶ岳も雲の中だった。しかし一面の草紅葉(もう見頃は終わっているが)には圧倒された。人がほとんど居ないので、こんな天気でも爽快な気分だ。

竜宮小屋を過ぎると空が更に暗くなって小雨が降り出した。雨の中を見晴までの長い道を歩く。広大な枯れ草の湿原歩きは秋の喧騒も終わり雨でも気持ち良いものだ。

見晴で雨が本降りになった。第二長蔵小屋の軒下で雨具を本格的に着け、尾瀬沼の長蔵小屋に泊まることを決めた。ここで申し込みをしてから雨の森に進む。※混雑期には前もって予約して下さい。尾瀬の小屋は完全予約制です。

下田代の木道を見晴へ行く 見晴(下田代十字路) 段小屋坂の木道
下田代の木道を見晴へ行く 見晴(下田代十字路) 段小屋坂の木道

段小屋坂の道は意外に木道が多い。登り方向なので問題なかったが逆は滑りやすそうだ。角度がついた場所もあるので慎重に行く。 沼尻に着く頃には雨もあがって、空もやや明るくなってきた。大江湿原側から長蔵小屋に歩く。

沼尻(ぬじり) 大江湿原 三本カラマツ
沼尻(ぬじり) 大江湿原 三本カラマツ

7月の大江湿原は一面にキスゲが咲き、大勢の人で賑わっていたが今日は静かだ。長蔵小屋は今年最後の営業日で、小屋閉めの準備を始めていた。

受付を済ませ部屋に荷物を降ろしたらお楽しみの時間の始まり。数人が憩っていた談話室で2本目を飲み終わったところで、置いてある小屋のノートを見てみると、よくお邪魔している尾瀬のサイトに集まる方々の記帳があった。 うれしくなって私も二言三言書かせてもらう。サイトの管理人のJUNさんも長蔵小屋に泊まるかもということだったが、天気も悪いし、いらしてないと思っていた。 すると、「たけさんですか?」と声がかかった。なんとノートを読んで私が居ることを気付いてもらってJUNさんが声をかけて下さった。なんてうれしい出会いなのだろうか。 尾瀬の魅力を教えてもらっていたら、あっという間に夕食の時間になった。

長蔵小屋の談話室 今日の部屋(単独者用) 夕食
長蔵小屋の談話室 今日の部屋(単独者用) 夕食

今年最後の営業日ということもあって、夕食にはお赤飯もあり、日本酒・ワインもご自由にどうぞ、というサービスで、いやしくも全種類飲んでしまう。※毎年恒例ではないのでご注意を。

夕食後も私が持って来た山の写真などを見ながら、消灯までJUNさんとの語らいは尽きなかった。


2日目
夜中は、頭上で何度も雷鳴が轟き小屋が揺れるほで、朝には収まってくれと願いながら浅い眠りを繰り返した。 朝方の冷え込みと何か久しぶりな匂いに、談話室から外を見てみると、なんと白銀の世界に変わっているではないか。

朝食が終わり、いざ外に出てみると4,5cmの積雪だった。十数年、毎年十数回も尾瀬に通っているJUNさんも 「この時期こ、ここまで積もるとは珍しい、たけさん、ついてるよ。」とうれしい言葉をかけてくれた。小屋閉めの日に尾瀬の初冠雪とは確かにこの上ない幸運なのだろう。

朝食 尾瀬沼湖畔 長蔵小屋
朝食 海苔の袋に水芭蕉の絵! 尾瀬沼湖畔 長蔵小屋

こうなったら雪の尾瀬ヶ原も見たくなり、皿伏山からアヤメ平はやめて昨日と同じコースに変更だ。沼山峠からのJUNさんとは長蔵小屋で別れて、昨日歩いてきた道を引き返す。

三本カラマツ 白砂田代
三本カラマツ 白砂田代

雪はすでに止んでおり、時おり雲間からは日も射し込んでいた。今日も人影が少なく、雪が音を吸収しているのか昨日より余計に静かな山中に感じる。 今年は大江湿原のキスゲの黄色・草紅葉の枯草色(ほんとはオレンジ色に輝く草紅葉が見たかったが)・雪景色と様々な色を楽しませてもらった。

登山道の雪景色 この時期だから撮れました 見晴から下田代
登山道の雪景色 この時期ゆえに 2つの季節 見晴から下田代に伸びる木道

段小屋坂の木道は雪で滑りやすい上に、更にいやな傾斜がついているところが多くてかなり神経を使った。

見晴に下りる頃には残念にも尾瀬ヶ原の雪はほとんど消えていた。沼から原へは250mの標高差があるので積雪も僅かだったのだろう。※尾瀬沼1660m→尾瀬ヶ原1410m。

下田代 アヤメ平方面を見る 沼尻川の拠水林
下田代 アヤメ平方面を見る 沼尻川の拠水林

竜宮十字路までくると雪はまったく無くなっていた。乾き始めた木道を歩いて牛首、ヨッピ橋と回って、中田代を周遊してアヤメ平に戻るとする。

中田代の池沼 下ノ大堀川付近 中田代の木道 至仏山は雲の中
中田代の池沼 下ノ大堀川付近 中田代の木道 至仏山は雲の中

燧ヶ岳 牛首分岐→ヨッピ橋間 景鶴山方面 牛首分岐→ヨッピ橋間
燧ヶ岳 牛首分岐→ヨッピ橋間 景鶴山方面 牛首分岐→ヨッピ橋間

白樺と池塘 牛首分岐→ヨッピ橋間 至仏山が姿を見せている 竜宮十字路から
白樺と池塘 牛首分岐→ヨッピ橋間 至仏山が姿を見せている 竜宮十字路から

日の光も射し込んで明るい湿原と池沼も見ることができた。中田代を周る間にほとんどの人が下山してしまったようだ。これほど写真に人が入り込まない尾瀬も静か過ぎて恐いぐらいだ。

中田代では尾瀬はいつ頃が一番良いのか考えながら歩いていた。今年は下ノ大堀川の「水芭蕉と至仏山」の景色から数えると4度も尾瀬に足を運んでいる。 大江湿原のニッコウキスゲも息をのむほど素晴らしいものだったが、この冬支度前の閑散とした湿原の寂しさは、人間を追い立てるような冬の前触れの山の匂いがしてとても心に残った。

誰かが作った”困った顔の雪だるま” 真っ白のアヤメ平 更に散った紅葉の道
誰かが作った”困った顔の雪だるま” 真っ白のアヤメ平 更に散った紅葉の道

長沢新道では1組のご夫婦とすれ違った。お互い物好きなだなぁ、というような笑顔で挨拶する。標高を上げると雪が本格的に積もっていた。 汗して登っていると、道の脇に何か困った顔の雪だるまがこちらを見ていた。思わず笑ってしまった。

アヤメ平は−1℃で小雨混じりの冷たい風が吹いている。早々に退散して富士見下へと下った。辺りが薄暗くなる頃に駐車場に着くと私の車だけがポツンとあった。なぜかまた笑ってしまった。


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