丹後山・中ノ岳 1808.6 , 2085.2m 07.09.15-16
晴れ

1日目:十字峡P−栃の木橋登山口−丹後山−中ノ岳−中ノ岳避難小屋(泊)
2日目:中ノ岳避難小屋−日向山−十字峡P

1日目
十字峡P6:15−栃の木橋登山口7:25−丹後山避難小屋10:50−中ノ岳14:55−中ノ岳避難小屋(泊)

以前、平ヶ岳を登る時に手に入れたエアリア「越後三山」には、八海山、巻機山などのよく聞く名前も載っていて、 こんな場所にある山だったんだなあ、と不勉強な私は一つ賢くなったつもりで地図を眺めていた。

その時に中ノ岳や越後駒ヶ岳という山の存在も知り、丹後−中ノ−越後駒の稜線を、一度の山行で繋げて歩いてみたいとなぜか思ったのだが、 いざ計画を立ててみると、何がなんでもマイカー登山派(山行の立案が下手なだけ)なもので、車回収が思うようにいかなく、 中途半端のまま計画を放置していた。

そんな状況が変わったのは今年の6月。急に思い立って枝折峠から越後駒を日帰りで登りに行った時に、 欲張って中ノ岳まで歩いてしまった。ならば、十字峡から丹後山・中ノ岳の周遊をしても越後駒まで線が繋がることになる。 ということで、今回の山行が気分的に気軽に行けるようになったので、天気予報が微妙な連休の前半に出かけることした。

まあ、だらだらと前置きがつまらないが、けっこう前から考えていた山行ということだ。 6月に日帰りした山を、その時より短い行程なのに山中で1泊するという、素晴らしい計画だ。

十字峡駐車場
十字峡の駐車場

駐車場は収容10台といったところか。あまり広くはない。1,2台のスペースが空いているだけで、ぎりぎり止められた。

高速道路の六日町ICから十字峡の駐車場までのアプローチは近い。東京から関越トンネルを越えると、 遠くまでやってきた気分になるが、時間的には尾瀬へ行くのと大差なかった。 東京多摩から218km、なんだ、距離的にも近いな。

車道を歩いて行くと3,4分で右へ曲がった橋があり、橋を渡ってすぐのトンネルの手前、左へ沢沿いの脇道に入る。この辺りにも路駐の車が5,6台。それなりに人気の山のようだ。

車道からこの細道に入る。微妙に立入禁止の看板が・・? こんな道になります コンクリ製の小橋を渡った後に登山口です
車道からこの細道に入る。微妙に立入禁止の看板が・・? こんな道になります コンクリ製の小橋を渡った後に登山口です

誰がいつ見るんだか分らない登山カードを記入して登山道脇のポストへ入れる。 前後は誰も歩いていないらしく、ブナの森の中の道はとても静かだ。今日は上で泊まりなのでのんびりと登っていくと、道の傍らに真新しい石杭があり「一合」と黒文字が彫られていた。 どの山に対しての合目表示なんだろう?

ゆっくり歩いても、避難小屋泊の装備はやっぱり重いもので、すぐに汗だくになる。ふと目に入った足元の黒い物体は熊の糞。 やっぱりいるよなあ、と気持ち熊鈴をハデに鳴らしながら息荒く登っていく。

「二合」を越えると中ノ岳の展望が出てくる。まだ樹林帯だが尾根に乗った明るい道で、標高を順調に上げているのを感じる。

意外と早めに明るくなってきます 中ノ岳方面 二合あたりで 所どころ展望があります
意外と早めに明るくなってきます 中ノ岳方面 二合あたりで 所どころ展望があります

天気は上々。明日早くから崩れる予報だが、今はすかっとした青空。ぽつぽつと登山者にも行き会い、気持ちよく登っていくと、進行方向の稜線にはだんだんと雲が覆い被さってきていた。 山の天気は違うからなぁ、と今日だけでも雨が降らないことを願いながら行く。

7合目を過ぎて 振り返って見る ずいぶんと登ってきたな ナナカマドの実
7合目を過ぎて 振り返って見る ずいぶんと登ってきたな ナナカマドの実

やがて低木帯が笹原の道になり、六、七合あたりから森林限界になった。前方には豪雪地帯らしい、なだらかな丘のような笹原がうねっている。

八合目の展望 こんな風景になるとウキウキしてきます
八合目の展望 こんな風景になるとウキウキしてきます


笹原の中をのんびり行くと稜線の分岐。ここの合目は「九合」なので、丹後山に対しての合目表示だったらしい。

分岐といっても、”巻機山”と記された右への道標は、残雪期のルートだ。遥か谷川岳まで続くその道をいつかは歩いてみたいが。
たぶん無理だろう、と今は思っておく。
稜線の分岐

分岐から丹後山避難小屋へは5分ほど。このルートには、丹後山と中ノ岳ににそれぞれ避難小屋があり、聞いた話では丹後山で泊まる人が多いらしい。 避難小屋の中を覗いてみると、2階もあってトイレもきれだし、見た目より広くてきれいな小屋だ。

丹後山避難小屋 小屋内部
小屋内部
トイレ
トイレ
イワショウブ 岩菖蒲 ユリ科
丹後山避難小屋     イワショウブ 岩菖蒲 ユリ科

少し先の丹後山で休憩してから先へ進む。真上には晴れてくれなそうな雲が広がっているが、前方の見晴らしは良く、中ノ岳には日が当たっている。


中ノ岳へ続く稜線
丹後山より

道が続く前方の山は大水上山、その後ろに重なる一番高く見えるのが兎岳、そして左奥の鋭鋒が中ノ岳だ。
中ノ岳へ続く稜線


中ノ岳と兎岳
大水上山より

大水上山から見る兎岳は、緑野の大きな山だ。山頂まで続く笹原の道が丸見えなので、実際、陽射しが無くて助かった。

稜線に登山者は少なく、丹後山避難小屋に荷物を置いて、兎岳をピストンしている方が3,4人だけ。
中ノ岳と兎岳

兎岳山頂 兎岳より荒沢岳へ続く道
兎岳山頂 兎岳より荒沢岳へ続く道(登山地図では黒点線。左奥の尖がりが荒沢岳だ)

小兎岳を越えると、中ノ岳がきれいに眺められる。岩肌に残雪を残す中ノ岳を間近に見て、「格好いい山だな」、 と思うのと同時に「今からあれを登るの?」と、アップダウンが続いて疲れていた体が嫌がっている感じだ。


中ノ岳
小兎を越えて

豪雪地帯の高峰らしく、雪崩によって削り取られた斜面が岩肌を露出させ、荒々しい山容にもなっている。
中ノ岳

小兎を過ぎると日が照ってきて、また汗をしぼりとられる。 それでも「上まで登ったら今日は終わりだ!」と自分を元気づけて、背負ってきたビールを楽しみに頑張って登った。

登山道は上へ行くにつれて、稜線の縁を歩くことにもなるが、危険な箇所は少ない。

中ノ岳へ 沢を見下ろせば、まだ雪渓が残る
中ノ岳へ 沢を見下ろせば、まだ雪渓が残る

振り返って兎岳を眺める 中ノ岳山頂付近 池の段手前より
振り返って兎岳を眺める 中ノ岳山頂付近 池の段手前より


池ノ段の分岐

また「九合」の石杭が出てきた。十字峡から中ノ岳へ直登するコースにも、中ノ岳に対しての合目表示があるらしい。
池ノ段の分岐

中ノ岳山頂
中ノ岳山頂
背後は避難小屋と越後駒ヶ岳

中ノ岳へは14時55分到着。いやー、思っていたよりもかなり疲れた。山頂には登山者が1人。当たり前だが今日は避難小屋泊まりだそうだ。 それを聞いて、安心なような残念なような、複雑な気持ち。

雲はそれほど多くなく、夕方にかけて落ち着いていきそうな気配。山頂の風は、秋に入ったことを告げる爽やかなもので、体の疲れなんてどこかにいってしまった。

さあ、今日の山旅の仕上げです。保冷バックに入れていた冷たいビールを取り出して、同宿となる登山者のカップにも注いで、 こじんまりとした山頂で乾杯した。これに勝るもの無しだーね!

山頂から見えている避難小屋へは、ほぼ水平に100mほど。 寝床を作ってから、今度は避難小屋の外で酒を飲む。目の前には八海山と越後駒ヶ岳。申し分のない立地だ。

中ノ岳避難小屋 1階内部 2階内部
中ノ岳避難小屋 1階内部 2階内部

それにしても今日は疲れた。時間もかかり過ぎだなあと、登山地図のCTを確認していると計9:30。あれ?、どうも、日帰りで歩く感覚で計画を考えてしまったようだ。 避難小屋泊といえど、天泊にくらべてテント装備がツェルトに替わるだけで、ザックの重さは大差ない。持参の酒類や、1.5日分の水を担いでいるんだから、この疲れは当たり前か。最近いい加減過ぎだ・・・。

山を見ながら飲み続けていると、やがて雲がすっかりと沈み、日が傾いて黄色い光が眩しなってきた。


八海山と草紅葉の輝き

昼間は始まったばかりに見えていた草の色付きが、夕日に葉先を透かされて、風に波打ちいっせいにオレンジ色に輝いた。
中ノ岳


荒沢岳

背後の荒沢岳も夕日に浮かんだ。
中ノ岳

越後駒ヶ岳
越後駒ヶ岳

やっぱり山は泊まるにかぎる。八海山へ沈み落ちる夕日を見送りながら、しみじみとそう思った。


2日目
中ノ岳避難小屋5:55−日向山7:10/7:25発−十字峡P 9:10

町の明かり
町の明かり

暗いうちに朝飯を食べて、寒さに震えながら外に出てみると、遠く町の明かりが見えていた。昨日は雲で気付かなかったけど、長岡の方かな?

会津駒の方角が明るくなっていた。ちぎれちぎれの雲が谷間に漂い、上空にも薄い雲だけで風も弱い。この分なら下山まで降られなそうだ。

日の出
日の出は会津駒ヶ岳の左奥から


越後駒ヶ岳
越後駒ヶ岳


燧ヶ岳と平ヶ岳

登ったことがある山を眺められることは嬉しい。
燧ヶ岳と平ヶ岳

遅れて八海山にも日が当たる 谷川岳遠望
遅れて八海山にも日が当たる 谷川岳遠望


出発

1泊なのに夕も朝もいいものを見せてもらった。幸運なことだなあ。今日の行程は下るだけ。CTも4:10、あっという間に下界だ。

この避難小屋は思っていた通りいいところだった。また来よう。
出発


兎岳−大水上山−丹後山の稜線

兎岳がかろうじて山頂を見せていたが、丹後山は雲がかぶったままだ。

中ノ岳避難小屋の勝ち!、なんて心が狭いことを思う。
兎岳−大水上山−丹後山の稜線

池ノ段の分岐から小天上へ急降下、気を付けて下る。下山するうちに雲が湧いて来るかな?、と思っていたが、逆に青空が広がった。

地図に生姜畑と記載の場所はミニ湿原だった。その中を歩いて低木帯を抜けると日向山の標識。脇にそれた細道を登ると、三角点のピークがあり何かの作業小屋のような物が建っていた。

日向山への下り 生姜畑
日向山への下り 白い小屋が見えますね 生姜畑

その小屋が建つピークから展望の見納め。振り返れば、日陰の斜面が黒々とした中ノ岳が大きく、あの頂で一夜を過ごしたのかと思うと感慨深い。

中ノ岳 左のピークは御月山 八海山 真横から見ているのでギザギザが無い
中ノ岳 左のピークは御月山 八海山 真横から見ているのでギザギザが無い


しゃくなげ湖と南魚沼の町
日向山より
しゃくなげ湖と南魚沼の町

さて、休憩もしたし、ぱぱっと下りますか。

涼しげなブナの森を抜けて、ずんずんヤセ尾根を下っていると、登ってくる人とすれ違い始めた。皆さん、きつそうな顔をしている。 中ノ岳まで突き上げるように伸びる急登の道、そりゃそうだ。でも、中ノ岳へのコースタイムは昨日のルートより短いので、 中ノ岳泊りなら、日向山経由の、このコースで登る方が良いかも。

ブナ林 ヤセ尾根 千本松原あたりかと 巻機山の展望も
ブナ林 ヤセ尾根 千本松原あたりかと 巻機山の展望も

水場表示(「二合」より下) 水場 この時期でも流れていました 駐車場に直接下山
水場表示(「二合」より下)
七合ぐらいに欲しいな
水場
この時期でも流れていました
駐車場に直接下山
登山センターにもなっています

夕方から飲み会の約束があるので、飛ばして降りたら、十字峡駐車場へは9時10分着。 今日の山行はあっという間に終わった。見上げれば更に青空が広がっていて、なんか勿体無いなあ。


実りの秋と八海山

酒屋を求めて、六日町ICの周りをうろうろしていたら、こんな素晴らしい風景に出会った。

頭を垂れる稲穂と八海山、なんていい絵でしょうか。 ま、稲はコシヒカリだろうから、銘酒「八海山」になる訳じゃないけどもね。
実りの秋と八海山


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