越後駒ヶ岳・中ノ岳 2002.7m / 2085.2m  07.06.23
枝折峠P       4:10
小倉山        5:55
越後駒ヶ岳      7:45  8:00発
中ノ岳       10:50 11:10発
越後駒ヶ岳     14:20
駒の小屋      14:35 15:00発
枝折峠P      17:55
金曜の昼休みに天気予報をチェックしてみると、梅雨前線が急に南下することになり、週末は上越あたりが一日晴天の予報になっていた。 中部山域も悪くないが、たまには遠出するのも良いかと、思いつきで知り合いが立て続けに登っていた越後駒ヶ岳に決定。 ブログの記事を見返したり、ありがたいことに山行計画のファイルを送ってもらったりなどして、帰宅してからは迷うことなくすぐに出発できた。

枝折峠駐車場 枝折峠駐車場

塩沢石内SAで3時間ほど仮眠したのち、登山口の枝折峠には4時前に到着。雨があがったばかりで辺りはガスに包まれている。

きれいなトイレが建つ駐車場には、百名山でもシーズン前なのか車が3台だけだった。

時刻は4:10。トイレ裏の登山口から登り始める。砂利が敷き詰められた道は、すぐに遊歩道のような登山道となり、 程なく低木の見晴らしがよさそうなヤセ尾根になった。 水滴を貯えた木の葉にズボンを濡らされたが、いつもの悪い癖で(そのうち晴れてすぐに乾くさ)と、 全身をびっしょり濡らされながら登って行く。

やがて、ガスが流れ左手に荒沢岳が格好よく姿を現した。右手の木々の間からは朝日で残雪が染まる越後駒ヶ岳も見えてきた。

タニウツギ 谷空木 スイカズラ科

花の方は、タニウツギが僅かに目立つ程度で、あとはマイヅルソウや実になったカタクリがやけに多く、 頭を垂れたイワウチワは花弁に触れるといずれもがポロリと落ちた。

カタクリとイワウチワが登山道の両脇をずっと飾っていたというレポを読んだが、なるほどうなずける。
タニウツギ 谷空木

登山道から少しそれる道行山のピークからは周囲を囲む展望が素晴らしい。 特に荒沢岳はこの辺りから見るのが一番迫力がある姿だった。

越後駒ヶ岳−中ノ岳
越後駒ヶ岳から中ノ岳への稜線 道行山より

荒沢岳 荒沢岳 道行山より

谷を挟み伸び上がる姿がきりっとしていていい。

また登ってみたい山が増えた。守門岳や浅草岳などと共に登ってみようか。

小倉山で駒ノ湯からの登山道と合流し、登山道の花を見つけながら、前方に見え隠れする駒ヶ岳へ向かって調子よく登って行く。 駐車場から森林限界までは鬱蒼とした森に入ることは無いといってもいい。

オオバキスミレ 大葉黄菫 ミツバオウレン 三葉黄蓮 シラネアオイ 白根葵
オオバキスミレ 大葉黄菫
スミレ科
ミツバオウレン 三葉黄蓮
キンポウゲ科
シラネアオイ 白根葵
シラネアオイ科

残雪が残る百草の池から急登になり、登りが一度落ち着くピークとも言えない山の肩が前駒となる。 ここでは中ノ岳−兎岳と続く稜線が目線の高さになり、残雪豊かな駒ヶ岳山頂部が圧巻だ。 この前後で2名×2の登山者とすれ違った。いい朝を山頂で過ごしたようだ。

中ノ岳−兎岳へ続く稜線
中ノ岳−兎岳へ続く稜線 前駒より 左奥の平らな山は平ヶ岳。

越後駒ヶ岳 越後駒ヶ岳 前駒より

雪が少ない年とはいえ、山頂部の山肌には残雪が豊富だ。

山頂間近というのに登山道の脇にカタクリが咲いているのが不思議な気分だ。

駒の小屋までは雪を踏むこと無く夏道を直登した。小屋は山頂から落ち込んできた斜面から突出した場所にあり、 見渡すと、ちぎれちぎれの雲が眼下に広がり絶景の一言。

どこからか汲み上げているのか、水がじゃかじゃか湧き出ている小屋の水場で冷たい水を体に染み渡らせていると、入山者用の記帳を求められた。 今日の記入者は私が一番だった。

駒の小屋 山頂直下は雪原歩き
駒の小屋 ここで山の朝夕は格別でしょう。 山頂直下は雪原歩き

越後駒ヶ岳山頂 越後駒ヶ岳山頂

雪の斜面をまわり込むように登り、山頂へは7:45着。

周囲の展望は360度。周りの名山が全て見渡すことができる。何よりな天気だ。 靴を脱いで濡れた靴下を乾かしながらおにぎり。

八海山 八海山 越後駒ヶ岳より

山頂からは、八海山がいい具合に雲がかかって、これまた格好良い。 いつもこの山名が付いた銘柄の酒を飲んでいるので、こうやって初めて見るのに身近に感じる。

さて、東京から遠出してきたのに、このまま降りてしまうのはもったいない。 実は8時頃に駒ヶ岳ならば、中ノ岳へも行ってみるかと考えていたのだが、せっかくの今日の天気、ならばその考えに従ってみるか。

駒ヶ岳の稜線に沿って、グシガハナ分岐を越えて中ノ岳へ向かう。ハクサンチドリも咲き始め、青空の草原歩きは夢心地の気分だ。

タテヤマリンドウ 立山竜胆 コイワカガミ 小岩鏡
タテヤマリンドウ 立山竜胆 リンドウ科 コイワカガミ 小岩鏡 イワウメ科

ハクサンシャクナゲ 白山石楠花 ハクサンチドリ 白山千鳥 コイワカガミの白花
ハクサンシャクナゲ 白山石楠花
赤みが強い株? アズマかも
ハクサンチドリ 白山千鳥
ラン科
コイワカガミの白花

タテヤマリンドウとコイワカガミが登山者を迎えるように並んで咲く細い道を南下すると、 御月山と兎岳を従えるようにどっしりとした中ノ岳が全容を現した。

中ノ岳へ 中ノ岳へ

グシガハナ分岐付近より

左右に何度か折れながら中ノ岳へ続くこの稜線を見てしまったら、誰もがこのまま歩いて行きたくなるだろう。


ハイマツ帯の下りは初夏のアルプスそのままだが、咲いている花が雪国らしく、カタクリとシラネアオイがたくさん咲いていた。 初めて見るヒメシャガの風に揺れている姿も可愛いく、誰も居ない道は秘密の散歩道のようだった。

ヒメシャガ 姫射干 アカモノ 赤物 ハクサンチドリの白花
ヒメシャガ 姫射干 アヤメ科 アカモノ 赤物 ツツジ科 ハクサンチドリの白花

カタクリ 片栗 シラネアオイの白花 ナエバキスミレ 苗場黄菫
カタクリ 片栗 ユリ科 シラネアオイの白花 ナエバキスミレ 苗場黄菫
スミレ科

中ノ岳まであと僅か シラネアオイがたくさん咲く嬉しい道だ
中ノ岳まであと僅か シラネアオイがたくさん咲く嬉しい道だ

今日は天気が良いおかげで暑さで体力を消耗し、中ノ岳避難小屋へ着く頃はへとへとだった。日陰の無い道なので帽子などあった方がいい。

ここまでの道は明瞭で残雪も無かったが、崩れている箇所や木の根を乗り越えたりくぐったりと苦労する場所もある。 夏場は笹ヤブで大変だったと後で聞いたので、時期により注意が必要だ。例年ならばこの時期は雪の上を歩く箇所もあるだろう。

ハクサンコザクラ 白山小桜 中ノ岳避難小屋 中ノ岳山頂
ハクサンコザクラ 白山小桜
サクラソウ科
中ノ岳避難小屋 →内部 中ノ岳山頂

中ノ岳山頂には鳥取から来たという年配の男性登山者が1人。この時間で十字峡から丹後山を回ってきたというから健脚だ。 今日はこのまま降りて明日は荒沢岳を登るという。「二百ですか?」と聞くと「えぇ、まあ」と笑っていた。

私はおにぎりを食べながら山座同定を始めた。その男性登山者はもちろん百を終えているようで、 尾瀬周辺や日光白根、谷川岳などの百名山を指差すと「どれですか?」と懐かしそうに一緒にそちらを眺めていた。

左が兎岳、中央の丹後山は雲に隠れている 左が本谷山、右の山塊が巻機山
左が兎岳、中央の丹後山は雲に隠れている 左が本谷山、右の山塊が巻機山
中央の一番奥が谷川岳

中ノ岳避難小屋の立地は申し分ない。こんなところに日帰りで来たのが勿体無い。 秋には十字峡から丹後山を回ってここで泊まろうと思う。

八海山 中ノ岳避難小屋より 越後駒ヶ岳 中ノ岳避難小屋より
八海山 中ノ岳避難小屋より 越後駒ヶ岳 中ノ岳避難小屋より

おにぎりを1つ食べてから越後駒ヶ岳へ引き返す。急ぎたいところだが、のんびり歩くのが似合う稜線だ。

ミヤマツボスミレ 深山坪菫 タニギキョウ 谷桔梗 檜廊下付近の登山道
ミヤマツボスミレ 深山坪菫
スミレ科
タニギキョウ 谷桔梗
キキョウ科
檜廊下付近の登山道
木をまたぐ箇所多し

白根葵 1科1属1種 ツマトリソウ 端取草 コヨウラクツツジ  小瓔珞躑躅
白根葵 1科1属1種
日本固有の花
ツマトリソウ 端取草
サクラソウ科
コヨウラクツツジ 小瓔珞躑躅
ツツジ科

天狗平手前でこの稜線初めての登山者とすれ違った。この時間だしザックの大きさから見ても中ノ岳避難泊だろう。 結局、駒ヶ岳−中ノ岳往復では2人しか出会わない静かすぎる道だった。

越後駒ヶ岳 越後駒ヶ岳

今日最後の登りを残して

一度雲に巻かれたが最後になってまた晴れてくれた。左に見える北沢源頭の大岩壁が駒ヶ岳のまた違った一面を見せている。

アバランチシュート(雪崩路)とよばれる、豪雪地帯独特の雪崩によって削られた岩肌が、アルプス的な山容を見せている。

ツガザクラ 栂桜< タテヤマリンドウの白花 1933ピーク付近から駒ヶ岳山頂を眺める
ツガザクラ 栂桜
ツツジ科
タテヤマリンドウの白花 1933ピーク付近から駒ヶ岳山頂を眺める

駒ヶ岳へ戻ったのは14:30。光線の具合が変わって、朝とはまた違う展望にしばし憩う。 撮り忘れていた記念写真を撮ってから小屋へ下りた。水場脇に設置されている入山台帳を見ると、3ページ目に進んでいるだけ。 今日の入山者は30人未満だ。どおりで静かなわけだ。

表のベンチには寝転んでいる同年代の登山者が1人。「泊まりだよなぁ、いいなぁ」グチみたいなひとり言が出た。 今日の宿泊は3,4人とのこと。中ノ岳までの道の状況など話したら、明日はそちらへ向かうことに決めたらしい。 一瞬マイカーが疎ましく思えた。

山頂から小屋への下り 駒の小屋 斜陽に照らされる山肌
山頂から小屋への下り 駒の小屋 斜陽に照らされる山肌

最近痛めた左ヒザが下りの衝撃で悲鳴をあげている。明るいうちに枝折峠へは着きそうなのでペースを落として歩いた。

道行山、明神峠を過ぎると後は楽な下りだ。しばらく行くと三脚を立てた年配のご夫婦が、荒沢岳が夕日に染まるのを待っていた。

夕焼けに染まろうとしている荒沢岳 夕焼けに染まろうとしている荒沢岳

うん、確かにいい場所だ。朝はガスの中で見えなかったが、駐車場から10分ほど登ればこの絵に出会える。

私も染まる時を待とうかと思ったが、今日の山行に満足しきっていたので潔く下り始めた。

枝折峠駐車場

駐車場へは17:55着。車は7,8台。

談笑していた人たちに話を聞いてみると、今日は荒沢岳だったり、巻機山だったりなど、 土日を利用してこの周辺の山を登り渡る人が多かった。
枝折峠駐車場

帰りの魚沼の平地からは久々に見たきれいな夕日。これを山の上で見ていたなら、と、またしてもひとりブツブツ。 遠出したので欲張って歩いてみたけれど、山はやっぱり朝夕が一番いい。
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