蝶ヶ岳(厳冬期天泊) 2677m  08.02.09-11
1日目 08/02/09(土)
中ノ湯ゲート(釜トンネル入口) 5:30
河童橋             8:00
徳沢(幕営)         11:30
プロローグ
厳冬期の蝶ヶ岳登山。この時期に北アルプスへ入ることになろうとは、こたつ寝で終わった正月には思いもしなかった。 今年最初の山となった八ヶ岳南端の権現岳を 一緒に登ったしげぞうさんと話をしていたら、 あれよあれよと雪山天泊の話となり、我々の技量で行ける山ということで、急遽開いた作戦会議(飲み会とも言う)の結果、北アルプスの蝶ヶ岳に決定した。
準備期間は慌しく過ぎ、話の流れで食担は私。2泊3日の予定なので4食のメニューの立案。 下界でも大した物を食べていない私が考えるのは多少の不安があったが、計画書に書いたメニューはあっさり了承された。 最終的にはコンビニのおにぎり・パン類を入れてザックは28kg。一眼レフも諦め、テントはしげぞうさんのザックに入っているのに、 なんでこんなに重いのか? なんか怒られそうだ。


天気予報では午後から降雪予報だが、大雪にはならなそうだし、もしそうなれば予定を上高地散策に変えればいいかと、 予定通りに午前1時にしげぞうさんを車で拾って沢渡へ出発した。 タクシー会社の駐車場に車を停め、午前5時発でお願いしていたタクシーで、釜トンネル入口(中の湯)へ。タクシー料金は片道2800円也。

冬期閉鎖されたゲートの前から釜トンネルへ歩き出す。トンネルの中はずっと登り坂で、2箇所ほど凍結していたが、明かりもあって快適に歩ける。 出口に着く頃には体が温まった。

釜トンネル入口(中ノ湯) 釜トンネル内部 全長1310m
釜トンネル入口(中ノ湯) 釜トンネル内部 釜トンネル全長1310m

タクシーの乗車時間が短くて、朝ごはんを食べ損ねてしまったので、釜トンネルの出口でサンドイッチを食べる。 他にも単独の登山者が準備しているところだった。さて準備運動をして、いざ上高地へ!

トンネルを出ると焼岳

トンネル出口付近は、デブリで埋まることも多いらしいが、今年は雪が少なく、壁の上方を見ても雪があまり付いていない。

前方の青黒い空に白く突き出した焼岳を見ながら雪の車道を行く。 上高地はこれで2回目。もちろん冬期は初めてなので、こうやって歩くのも新鮮だ。
いざ上高地へ

バスターミナルでは軒下の歩道にテントが張られ、この時期ならではの風景。 トンネルを出る頃は星が見えていたが、やがて薄雲が覆い予報通りの空模様。 でも河童橋からは、絵に描いたような定番の穂高の景色が立ち上がっていた。

穂高 河童橋から 焼岳 河童橋から
穂高 河童橋から 焼岳 河童橋から

河童橋のベンチで休憩。気温は−16℃。通り過ぎる人もぽつりぽつりで、観光シーズンは上高地で一番賑わう場所なのに、 今日の景色は寂しげで、ここまで違うものかと不思議な気持ちになる。

小梨平を行く 小梨平を行く

少し雪が深くなった。小梨平でもテントが1張り。冬のここら辺りまでの上高地の冬期トイレは、大正池ホテル、バスターミナル、小梨平の3箇所だけ。

ここで、河童橋で追いつかれていた若者2名の登山者が、私達をさっと抜かして行った。

明神で休んでいると4名ほどの登山者が到着した。皆さん足が速い。

予定などを話していると、先ほどの若者2名は学生で、徳沢−蝶−常念と抜けるらしい。まず同じルートの登山者がいることに安心した。 あのペースなら今日中に長塀尾根の2000mを越えた幕営適地まで行くだろう。
明神

明神を過ぎると途端に雪が舞い始め、突然に真っ白になった。除雪された道を間違って進みそうになり、一度戻って登山道に復帰。 単独のおじさんと3人で歩くようになり、途中の夏道は雪が深そうなので、梓川の一部を渡渉して河原をずぼずぼ歩く。

雪原のようになった河原は踏み跡があるので、スノーシューを出すかどうかは微妙なところ。まあ、そういう状況だと面倒くさいが勝って、そのまま歩き続けることになる。 そのうち最後尾の私が遅れがちになってきた。急いで付いていくと汗が噴き出し、徳沢も近いことだし、ゆっくり行くよと、しげぞうさんに伝える。

渡渉した川 雪原です。2人においてかれる 徳沢到着!
渡渉した川 雪原です。2人においてかれる私 徳沢到着!

やっとこさ徳沢到着。おじさんは長塀尾根入口まで見に行って「やっぱりあの2人は行ったみたいだね」と教えてくれた。 さて我々は予定通り徳沢でテント泊。尾根入口近くに2〜3人用のテントが1張のみで、それ以外は雪原が広がっているだけだ。 トイレに近いところに張ろうと徳沢園から少し戻ってみるが、中途半端な位置で整地開始。

ねぐら完成!

舞うような感じだった雪も、やがて本降りになってきたので、急いで幕営作業開始。新雪のため天場がなかなか固まらず、 スノーシューで30分ほど踏み続けて、やっと締まってくれた。実家の竹林特製の竹ペグを雪中に埋める。 おぉ、引っ張っても抜けないぞ、なるほど。
ねぐら完成!

テントはしげぞうさんのゴアテン。なんでも非売品の頑丈なやつらしい。今日はいっぱい食べて荷を軽くして、明日は分担しないとだなぁ、うん。

14時には中でお湯を沸かしてお茶タイム→酒タイム。しげぞうさんの梅酒パックは、お湯割り・ホットですぐに空っぽ。 甘くて暖かいのはいいね〜。じゃー次はこれーと、ニコニコ顔で芋焼酎を出したら、なぜ瓶のままで持ってくるの!とにらまれる。 家で量ったら瓶だけで470gあった。あーごめんなさいー。お酒を飲みながらせっせと水作り。

夕食は定番のキムチ鍋。しげぞさんが天気図を取っている間に私めが調理担当。そしてこのキムチ鍋のうまさは文句なし! テントの中は火器を使って暖まっていたので、このメニューだと余計にビールが飲みたくなってしまった。

水作り。翌日の朝の調理と行動用分まで作ります 梅酒はあっという間に空 キムチ鍋!これ最強!
水作り。翌日の朝の調理と行動用分まで作ります 梅酒はあっという間に空 キムチ鍋!これ最強!
あっけなく平らげました

雪はしんしんと降り続き、見る間にテントに積もっていく。長めの吹流しが付いているスノーフライのおかげで出入りはなんとかなるが、 こりゃ1人では大変だなぁと思った。トイレがちと遠いので靴に履き替えて行ったが、 帰ってくる頃には雪だらけで、体や靴の雪落とし作業が面倒で、引きこもりになりそうだ。

午後6時頃 午後6時頃

さらさらとテント生地に当たる雪音の下で、熱いお湯割りを飲みながら過ごす時間は、和みの極致かもしれない。

消灯は午後7時頃。今日は10人ほどしか会わず、静か過ぎる1日だった。


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