唐松岳  2696.4m  07.02.26

八方池山荘       8:45
八方池         9:25
丸山ケルン      10:35
唐松岳頂上山荘の裏山 11:20
唐松岳        11:50着 12:45発
八方池山荘      14:45


白馬村に入る頃に夜が明ける。まだ朝日は下界に達せず、長大な八方尾根が青黒い世界に輝いていた。

八方尾根 八方尾根

右には白馬三山。予報通りの好天。
→八方尾根拡大

平日なので駐車場は空いていたが、ゴンドラの営業開始時間も遅く8時まで待つことになった。 ゴンドラの時間が気になるなら休日にした方がよい。

登り口となる八方池山荘までは、ゴンドラ(片道800円)+リフト(片道300円)+リフト(片道300円)と3本乗り継ぐ。 ザックの重量が10kgを越えていたので荷物代200円を別途払う。
往復でトータル3000円。高速代+ガソリン代も考えると、日帰りで来るのはある意味勇気がいる。

八方池山荘前

3本目のリフトの運行が少し遅れ、八方池山荘から登り始めたのは8:45。ストック+つぼ足で出発した。

山荘前で溜まっている者は約15人。登山組は6人ほどで他はスノーボードやスキー板を担いでいる。
八方池山荘前

登るにつれ五竜・鹿島槍との目線が近づき、そこへ行くでもないのに青空に走る白い稜線に胸が高鳴る。 振り返ると妙高・火打などの北信の山々が間近に見える。

登る人たち 五竜岳−鹿島槍ヶ岳
登ります。
赤いウェアのチームはすぐ脇にそれていった。
五竜岳−鹿島槍ヶ岳 →拡大

今日の荷物はチケット売り場のはかりで15kgほど。ストック×2,ピッケル,アイゼン,スノーシュー,ツェルト, 冬ジャケット,フリース,救急セット,食料,水分2L,小物類など、詰めた物を考えると納得だが、日帰りではちょっと考え物な重さだな。

唐松のピークが見えてきた 第3ケルン
唐松のピークが見えてきた。→拡大
画像中央が第3ケルン。
振り返る。第3ケルンと北信。
左が妙高、右が高妻山。

八方池越しの白馬三山 八方池越しの白馬三山

今日は尾根上の人が少ないので、八方池からの白馬三山が格好よく撮れるぞ、と思っていたらただの雪原になっていた。

ま、当たり前の話。間抜けなことを考えていた。

天気が良いことは嬉しいのだが、雪面の照り返しや、風が無いこともあってとにかく暑い。 登山道もずっと冬道の尾根通しの登り一辺倒で、汗が滝のように流れ、ちょっとでも下を向くとサングラスに汗が溜まる。

丸山ケルン 唐松岳頂上山荘の裏山が見えてきた
丸山ケルン 丸山まで来れば稜線は近い。中央の
唐松岳頂上山荘の裏山へ登ると大展望が待つ。

五竜岳 左が山荘の裏山。右が唐松岳
五竜岳。鹿島槍が五竜の後ろに隠れると
もうすぐ稜線だ。→拡大
左が山荘の裏山。右が唐松岳。
→拡大

稜線近くは両側が切り立ってヤセ尾根になり、いやなトラバースも2,3度出てくる。 それなのに途中で抜いていった外人のボード・スキー混成4人組は、そこまで行っても滑り降りずに アイゼンを着けないブーツのまま稜線まで上がっていってしまった。

唐松岳へ

稜線にあがると思わず吐息が漏れる凄い展望が広がった。外人達も写真を撮りあって最高な笑顔だったが、 そのまま唐松岳へ登り始めて行く。おいおい、どこまで行くんだ?

今日の天気ならば稜線での憩いも大丈夫だろう。唐松岳の頂上で昼食にするかと、私も最後の登りにとりかかった。
唐松岳へ

山頂までは雪も程よい量で楽な登りだった。しかし一度滑り出したら谷底までノンストップで落ちる斜面なので慎重に進む。

剱岳と立山 剱岳と立山

唐松岳へは11:50着。

山頂には八方池山荘から抜きつ抜かれつしていた登山者が1人のみ。

ただ「最高ですね」としか声をかけれないほど、この絶景に胸の鼓動のうわずりがしばらく治まらなかった。

→拡大

五竜岳 不帰瞼を越えて白馬岳方面
五竜岳。右肩には槍と穂高が見える。→拡大 不帰瞼を越えて白馬岳方面。→拡大

白馬へ続く北の稜線から左に目を移すと海が見える。あれは富山湾かな。 毛勝三山から南へ目を向けていくと、剱、立山、薬師、北ノ俣岳、黒部五郎と、いつかは繋げたい線が続いている。 南ア、富士、八ヶ岳、浅間、谷川、北信、見えない山は無いと錯覚するほどの展望だ。

北アルプスのパノラマ
北アルプスのパノラマ →拡大

山頂の気温は−11℃、この時期としては暖かい。日光がじりじりと熱く風も無いので冬ジャケットはザックに入れたままだった。 先に到着していた登山者は5分ほどで降りていった。私は1時間も居座って1人占めの山頂で飽きることなく雪山を眺めた。

北信の山々 唐松岳頂上山荘
北信の山々。→拡大 唐松岳頂上山荘。後ろに見えるは浅間、四阿山、根子岳など。

東京からの日帰りなのに、この展望を前にして昼のおにぎりを食べていることが不思議でならない。 日本の自然の多様さに改めて驚き、そしてその素晴らしい自然に純粋に向き合うことができる 「登山」という趣味に出会えたことに感謝した山頂だった。

滑走準備中

先行していた外人部隊はというと、なんと唐松岳をそのまま進み、不帰瞼三峰との鞍部で滑走準備を始めていた。 うわ、あんなとこ滑るのか?

→唐松沢まで続くコース拡大
滑走準備中

4本のライン 4本のライン

彼らが滑り出す前に私は下山したが、途中の稜線から振り返ってみると、 垂直にしか見えない雪面に、4本のラインがくっきりと浮かび上がっていた。 今ごろ唐松沢あたりを豪快に滑走しているだろう。世の中には凄い人たちがいるものだ。

→拡大

山やの醍醐味

八方池山荘で一緒だった登山者が途中の雪原でまどろんでいた。 「やけにゆっくりだなぁ」と見ていたらテントを広げている。 たしか明日も風が弱い日で好天予報だ。今晩この尾根で見る星空は、宇宙に放り出されたような恐いぐらいの美しさに違いない。

自分の忙しい山行がバカみたいに思える。山は朝夕を過ごすのが一番だ。
山やの醍醐味

八方池山荘には14:45着。下りのリフトでは向かいの登り方向の客の視線が恥ずかしく、3本目のゴンドラに乗ってやっと落ち着けた。

帰りは「道の駅白馬」に寄り楽しみにしていたおやきタイム。ここのおやきは種類も豊富でうまい。 いつか全種制覇しようと思っていたのに、以前食べた3種が何だったか思い出せない。 きのこを食べたら「あ、これだ!」と思い出した始末。あぁ、まったく。

おやき全種類 きのこミックス 豚キムチ
おやき全種類。→拡大 きのこミックス。具はキノコのみ! 5点満点で、4.5点! 豚キムチ。3.5点。うまいんだけど、おやき??という意味で。

こうやって書き留めて、いつかは全種類制覇したい。

帰りに
帰路

終日雲が湧かない空だった。山へ礼を言って豊科へ車を走らせた。


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