白峰南嶺・蝙蝠岳縦走    2013/08/10 - 08/13
1日目奈良田湖P−黒河内岳(笹山南峰)−白河内岳幕営適地(天泊)
2日目:白河内岳−広河内岳−農鳥岳−間ノ岳水平道−熊ノ平小屋(天泊)
3日目:熊ノ平小屋−塩見岳−蝙蝠岳−二軒小屋ロッジ(天泊)
4日目:二軒小屋ロッジ−伝付峠−奈良田越−黒河内岳(笹山南峰−北峰)−奈良田湖P

1日目 2013/08/10

 奈良田湖P             4:35
 黒河内岳(笹山南峰)       11:50
 白河内岳幕営適地(2750m地点)14:00

境川PA 2:15 境川PA 2:15

逃げる様に会社を定時であがり、パッキングを終えたザックを車に積んで中央道を山梨方面へ。

パーキングエリアで仮眠して起きてみると、4時間前は空いていた駐車場はぎっしりで、連休の混雑は夜が明ける前から始まっていた。

この連休は南アルプスとだけは決めていて、実際山行計画が決まったのは3日前。行き先は、かなり前から気にかかっていた白峰南嶺、蝙蝠岳、間ノ岳の水平道、そして奈良田湖から笹山へのダイレクト尾根。

ダイレクト尾根から始まるぐるりっぷコースを計画出来た時は「すごい計画だ!」なんて思ったけれど、CT12時間超えの日が2日もあって縦走力が試される久々のチャレンジコースだ。1週間の休みが取れたので行程を分割すればとも思ったが、なるべくキャンプ指定地に張ることも大事と考えてこうなった。

奈良田のトイレは24時間使用可。

AM3:30。奈良田の登山者用駐車場は満車。ひっきりなしに車がやってくる。大部分の登山者は広河原へ行くのかな?
境川PA 2:30

奈良多胡に架かる吊橋の脇に20台の駐車スペースがあるが「落石の危険の為駐車するな」の看板が立っていたので、湖畔の東屋近くの4,5台のスペースにとめた。

明日の行動用も含め6Lの水を入れたザックは23kg。一眼レフの2.3kgも含んでいるので無駄に重い訳ではないが、水をこんなに積んだのは笊ヶ岳に登って以来、もう10年も前のことだ。

いざ、つり橋を渡って奈良田湖対岸へ。湖岸のコンクリ道を歩いて人工的な堰を渡渉し、その川を右岸沿いにさかのぼると森の入口に「←笹山」と書かれた指導標があった。ここから登山道が始まる。

奈良田湖のつり橋(塩見橋) 登山道入口
奈良田湖のつり橋(塩見橋)
「笹山→」のプレートあり。
登山道入口

さて、地図上で見ると笹山まではそれほど長い距離には感じないが標高差は1900mもある。ひたすら急登が続くということだ。最初は作業道のようで鉄パイプの手すりが付いていたり階段状になっていたりしたが、登山地図の「送水管上」付近になると段差もはっきりしていない急登が始まった。


境川PA 2:15 行動食は定番のドライフルーツ

「大木の森」を越えて尾根合流点に乗ったところで最初の休憩。重いザックに面白いように汗をしぼられてロンTもぐっしょりに色が変わっている。

ドライフルーツはりんご、トマト、パインの3種。私はりんごがお好み。

おにぎりも追加で食べていると今日初めての登山者が追い抜いていった。年配の3人組でかなり軽装。笹山の日帰りとは渋いね。

登山道はやがてブナの斜面に変わり調子良く登っていくと、登山地図に記載の「ブナの大木」が斜面にしがみつくように立っていた。今回2013年度の登山地図を買い直したので、ダイレクト尾根の各ポイントがそれなりに記載され、「大木の森」「ブナの大木」等々、休憩の目安にもなる。

ダイレクト尾根のブナの大木
「ブナの大木」。大木というより特異な形で目を引く木だ。すらっとした大木より、こういう木に木霊が宿るんだよね。

水場への道標 水場への道標

水場のへの表示は往復20分と書かれているが、その下にマジックで”(35分)”とかっこ書き。けっこうかかったというレポも目にしていたので、往復の時間を嫌って水場は寄らないことにする。

道は消えそうになっていたり、また、はっきり踏み跡が出てきたりで、不慣れな人には心細いかもしれないが、赤テープ類の目印は必要最小限付いているので、下り方向の時に注意を払えば問題ない道だと思う。

右側に木立が無くなればガレの縁に到着。ようやく最初の展望にありついた。

青空と白峰南嶺。
青空と白峰南嶺。左が今日の幕営予定地の白河内岳で、右のなだらかなのが大籠岳辺りだろう。

2256地点。

展望地での休憩以降、足の疲れが急に来た。これまでCTを短縮する勢いで登っていたが、木の根を掴むような急斜面になると立ち止まること多々、中々進まない。

そしてこの時期の針葉樹の森の常で、アブだかハチだかが警戒して体の周りをぐるぐる飛んでいるものだから余計に疲れる。
境川PA 2:30

笹山のピークかな? 笹山のピークかな?

樹林帯の背が低くなると前方にピークがやっと見えてきた。スントの標高表示からもあれが笹山南峰だろう。

ここで今朝抜かれた3人組が降りてきた。行程のことなど立ち話して「上はきれいに見えているよっ!」と励ましのお言葉。その後すぐに新たな登山者が降りてきた。装備からすると農鳥か大門沢からの小屋泊だろう。

笹山南峰(黒河内岳) 2717.6m。

荒い息でハイマツの幹を踏み付けながら進み、小木帯を抜けるとぽっかりと空いた広場が笹山南峰。テントは2,3張なら行けそうな広さで実際に張った跡も幾つかある。
境川PA 2:30

山頂には1人の登山者が休憩していた。話好きなその人によると先ほどの単独行の方も大門沢小屋から一緒だったそうだ。もう300名山まで終わって百高山をしているとのこと。そこまで歩くなんて感服です。

一旦樹林帯に入ってまた抜ければとびきりの展望が待っていた。

笹山北峰(黒河内岳) 2733m
笹山北峰(黒河内岳) 2733m。うん、いい頂だ。南峰より僅かに高く360度の展望で、何といっても目の前に塩見岳と蝙蝠岳が眺められる、言うこと無し。

白河内岳へ
白河内岳へ。まだ樹林帯歩きが残っている。さて今日はあのガレの頂で張るのか、途中で張るのか。

稜線から樹林帯に入ると、道は明瞭というほどではないが細く尾根に添って続いている。唯一見つけた指導標には「18」と番号がふられていた。

樹林帯の道標。 ウサギギク 兎菊 キク科
樹林帯の道標。 ウサギギク 兎菊 キク科

樹林帯から出てハイマツ帯やガレ場を歩く。樹林帯以外のルートは、この様な山行に慣れていないと道を見失うこともあり得る。一見、進む道に迷う箇所では、周りを見渡して小さなケルン通りに行くと次のケルンが見えてくる。但しケルンと言っても、2,3個の手のひらサイズの石を積んだだけの物なので、ルート全体を考えて進む必要が有る。

ケルンを目印に進む。画像だと判らないが次のケルンが中央奥にある。 ハイマツ帯に続く道。まあ普通に歩けます。
ケルンを目印に進む。画像だと判らないが次のケルンが中央奥にある。 ハイマツ帯に続く道。まあ普通に歩けます。

天場 2張分 天場 2張分

森を抜けて、目の前に広河内岳のゴーロ帯が見えてくる辺りで、張った跡が2箇所有り。

時間的にもここで張るのがいいかと立ち止まって考えていると、向こうから1人の登山者が歩いてきた。

年配の登山者だが天泊装備だ。ルートや幕営適地の情報交換をすると、どうもこの先には幕営適地は無いようだ、とのこと。事前の情報では、白河内岳のピークに1張分の整地された場所があるはずだったのでそのことを聞くと、「確かにあった」と教えてくれた。

先に進むと疲れ果てた体では嫌になる白河内の斜面。うーん時計は2時近いしなあ、と考えながら歩いていると石ばかりだが整地された場所が。立地は申し分ない、2,3分考えてここに決定。

今日の天場。目の前には塩見岳と蝙蝠岳。

塩見岳がニョキッと北俣岳の後ろに頭を出し、北俣岳から蝙蝠岳、さらに左へ落ち込んでいく蝙蝠尾根に武者震いするような感覚。
今日の天場。目の前には塩見岳と蝙蝠岳。

白河内岳山頂方面
白河内岳山頂方面。ここの標高は約2745mで白河内岳の肩といったところか。ゴーロ帯の登りが始まる手前で、やや窪地にもなっており天候の急変なども考えればいいポイントだと思う。でも斜めで石がち。

さてテント設営の後、何もやることがない。日はまだ高く陽射しが強くて暑くてたまらない。持参の焼酎を水割りにして飲み始めたが水がぐんぐん減って行くのがなんとも怖い。

コバノコゴメグサ 小葉の小米草
ゴマノハグサ科。

天場周辺を探索して咲いていたのはこの花だけ。花が多いルートではないし天泊装備だと途端に花を撮らなくなる。今回は好天が続けば展望の絵ばかりの山行になりそうだ。
コバノコゴメグサ 小葉の小米草

夕飯はスープパスタに使いかけのマロニーとラーメンの具など。 夕飯はスープパスタに使いかけのマロニーとラーメンの具など。
夕飯はスープパスタに使いかけのマロニーとラーメンの具など。全て賞味期限が切れているすばらしいトリオです。 コンビニのおにぎりをお供に夕食。マロニー入れ過ぎで汁けが無くなってしまった。屋久島でゲットしていた最後の三岳。山で飲まねばね。

南アの夏の雲 南アの夏の雲

これは夕飯前の15:45頃の塩見方向。心地いい日影タイムが終わろうとしている。

今日は、
行動中の水消費が2.5L。
すれ違いは6人。

日没前にガスに包まれたので染まることは期待せずにシュラフに潜った。足を伸ばすと、久々の重荷で疲れ切った足がピリピリと熱を発していた。


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