奥秩父主脈縦走    2012/04/28 - 05/02
1日目:奥多摩駅−六ッ石山−鷹ノ巣山避難小屋−七ッ石山−奥多摩小屋(天泊)
2日目奥多摩小屋−雲取山−飛龍山−山ノ神土−水干−笠取小屋(天泊)
3日目:笠取小屋−雁峠−古礼山−水晶山−雁坂峠−雁坂嶺−破風山−木賊山−甲武信小屋(天泊)
4日目:甲武信小屋−甲武信ヶ岳−国師ノタル−国師ヶ岳−北奥千丈岳−大弛小屋(小屋泊)
5日目:大弛小屋−朝日岳−金峰山−富士見平小屋−瑞牆山荘

2日目 04/29

 奥多摩小屋          4:27
 雲取山            5:18 5:32発
 北天ノタル          8:01
 飛龍山            8:34
 禿岩             9:03 9:26発
 将監峠(しょうげんとうげ) 11:15 休憩10分
 山ノ神土(やまのかんど)  11:49
 水干(みずひ)       14:43
 小さな分水嶺        14:58
 笠取小屋(天泊)      15:14

2日目の朝

少し寝坊の3時前に起きて眠気覚ましの温かいカフェオレ。足のこわばりは無くなり疲れは感じず。8時間の睡眠がよく効いた。

2杯目はコーヒーにして小さな菓子パンで軽い朝食を済ませてから撤収開始。
2日目の朝

テント村の朝は早い テント村の朝は早い

近くに張っていたTさんも起きていたので、お互い今日の予定地である笠取小屋まで行ければいいね、と挨拶して別れた。

小屋の前でザックを下ろしてトイレに寄ったら、お腹の方は”臨時休業”と札が掲げられている様で何の活動もしてくれない。道中で腹痛だけは起こさないでくれと、お腹をさすりながら歩き出した。

奥秩父の山並みが染まる。 雲取山直下。避難小屋に朝日が当たる。
奥秩父の山並みが染まる。 雲取山直下。避難小屋に朝日が当たる。

朝日に照らされた避難小屋の前には、宿泊組なのか5,6人の登山者が朝の展望を楽しみながら憩っている。皆、このいい朝に離れられないでいるようだ。

小屋前から石尾根を見下ろす。 東京都最高峰の雲取山山頂。
小屋前から石尾根を見下ろす。 東京都最高峰の雲取山。
山頂は、東京・山梨・埼玉の県境になる。

雲取山頂からの展望
山頂からはこれから歩く奥秩父主脈が雄大に眺められる。甲武信までは山梨と埼玉の境を歩いて行くことになる。

左の間近なピークが飛龍山。そこから、唐松尾、笠取を経て木立の間に見える甲武信ヶ岳を越え、中央奥に霞むなだらかに見える国師ヶ岳の向こう側、フィナーレとなる今は見えない金峰山へと続いている。いいね、いいね、ゴールは遥か遠くだよ。

避難小屋前。 避難小屋前

この場所に留まって眺めるんだよね。

一歩、飛龍方面に歩き出すと樹林帯のうす暗い道になり静かな朝に戻る。

ふと前方を見ると同じ速度で単独行の男性が歩いていた。私と同様でデカザックにワカン装備だ。

しばらくして休憩中の男性の脇を通り抜ける時に声を掛けた。

「今日はどちらまで?」
「笠取まで行きたいのですが。」
「私もそこまで行ければ後が楽なんですけどね。」

と、お互い言葉少なに別れた。
単独行者

今日の幕営地の話だけだったけれど、お互いにこの山旅の目的地は言わずもがな、だろう。

笹原の細い道。 所々整備されています。
笹原の細い道。 所々整備されています。

鞍部となる狼平を抜けて登りになった。歩く人はまれだが登山道は所々整備され念入りに補修がされた場所もある。途中の露岩で一休みしてから先へ進む。道は稜線上のすぐ下をトラバースするように付けられており細い道だが歩き易い。

真新しい補修箇所も。 北天のタルを過ぎると雪が残る道に。
真新しい補修箇所も。 北天のタルを過ぎると雪が残る道に。

北天ノタルまで来ると縦走路には残雪が出てきた。毎回ここから雪が出てくるな。

所々現れる腐った雪を踏みながら進み続けると、地図上では点線表記されている飛龍山へのショートカットコースの入口が目に入ってきた。

ショートカットコースの入口 ショートカットコースの入口

迷うことなく山頂へ直登する。

道は雪も無く踏み後程度だが登り方向なら迷うことはないだろう。赤テ類が無いので下り方向や、特に残雪時は使わない方が吉。

飛龍山の展望はわずかに富士山方向が見える程度。この山はシャクナゲの花の頃が人気だそうで時期が来なければ静かな山だ。

僅かに富士山の展望。 飛龍山山頂。
僅かに富士山の展望。 飛龍山山頂。

先は長いし休憩は禿岩と決めていたので、山頂はすぐに切り上げシャクナゲのトンネルを下る。登山道の凹みには氷化した雪が残り不意に滑る嫌らしい下りだ。

飛龍権現の分岐から禿岩はすぐそこ。「禿岩」と表示の道標にザックを降ろして南方に20m行けば、奥秩父屈指の大展望が広がる。

進行方面
進行方面。中央奥の中心が甲武信であり左に伸びる尾根のピークが国師となる。壁の様に見えるあの間がGW期縦走の核心と言ってもいい。

富士山方面
富士山も大菩薩嶺の隣りへやってきた。

大菩薩から三窪高原を通り笠取あたりまでを目で追う。その山並みもいつかは繋げてみたいルートだ。最後にもう一度、甲武信から国師へ繋がる尾根を目に焼き付けて縦走路へ戻った。

大ダルの鞍部までは日陰になるので氷化した雪が多く残る。慎重に下っていると苔むした斜面に小さな白い花が顔を出していた。

バイカオウレン オウレン
バイカオウレン 梅花黄蓮 キンポウゲ科 オウレン 黄蓮 キンポウゲ科

斜面のあちこちにバイカオウレンが咲いている。花は皆無と言ってもいいGWの奥秩父では貴重な可愛らしい花だ。しゃがんで花を撮っていると、ん?隣に咲いているのはオウレンじゃないの!初めて見る花にちょっと感激。

ぱっと見た目には花と認識されない小さな花だが、オウレンの名を冠した山小屋や水場などもあり、私にとって一度は見てみたい花だった。

大ダル。

上機嫌で涼しい道を下り続けると日向の笹道に変わり、やがて暖かい空気がもわっと漂う大ダルに出た。

笹原の鞍部には幕営した跡もあり、登山地図には今通ってきた道すがらに水場表示もされている。水場は気付かなかったしビールが売ってないので幕営不適です。
大ダル

ここからは、大常木山、竜喰山と連なる峰の南側を巻いていく。古い石垣が残り往時の賑わいが想像される道だが、風の通りが無いので直射日光にさらされて真夏の様に汗をポタポタ落としながらただ歩く。

石垣が残る道 いい道ですが暑い!
石垣が残る道。 いい道ですが暑い!

やがて左下の彼方にちらっと将監小屋の青い屋根が見えてきた。予定通りに来ているので小屋への分岐は素通りし将監峠へ向かう。

将監峠は鹿除けの網がちと風情が無いが、草原が広がって開放的な気持ちいい場所だ。日陰を求めて道標そばの木陰に倒れこむ。ああ、いい風が渡っている。目をつむって笹原に身をまかせしばし休息。

カラッとした将監峠 必殺技のハチミツ!
カラッとした将監峠。 使い切りのハチミツ!ナイスな行動食です。

さて山ノ神土から笠取小屋へは、稜線コースと中腹を行く巻き道コースの2つがある。巻き道といってもCTはほぼ変わらずだ。

10年前歩いた時は悪天で仕方なく巻き道にしたのだが、冷たい雨に濡れた苔むした森の美しさに本当に心打たれた道だった。その時の記憶が忘れられず今回は出発前から巻き道に決めていた。

分岐には若いグループが休憩中。その前を横切り「黒エンジュ 笠取小屋」と書かれた方面へは平らな歩き易い道になる。この巻き道は、2,3箇所の鉄砲水の痕のような所を通る以外はほとんど平坦で長い散策路という趣きの道だ。

鉄砲水の痕かな? 苔むした道です。
鉄砲水の痕かな? 苔むした道です。

しばらく散歩気分で歩いていたが、記憶の中の神秘的な雰囲気が感じられない。カラッと晴れた明るい森は苔も元気が無く懐かしむ気持ちが湧いてこなかった。その当時はまだ山の経験が浅く、雨の深山を歩くことの心細さと新鮮さとで心に深く残ったんだろうな。

中休場尾根へ続く作業道は立派な道で、最初は黒えんじゅの分岐点と勘違いしてしまったほど。足裏が疲れて歩くのが嫌になってきた頃に黒えんじゅの分岐に到着。実際ここで先ほどの間違いが判明。地図のCTの1:50に対して実際の行動時間が2:00。短縮できると踏んでいたのに疲れでだらだら歩きになっていたか。

黒えんじゅ分岐 水干分岐の案内図
黒えんじゅ分岐。 水干分岐の案内図。→案内図拡大

後の2つの分岐は疲れがピークに達していたが、もうひと踏ん張りして予定通り水干廻りのコースを取った。

ここから本日最後の登り。稜線近くまで登るのでかなり標高をあげる。やっと登り終えたところで道を折れ曲がると、やけに立派な石垣の園地が見えた。

水干(みずひ)が見えた〜。 多摩川最初の一滴です。
水干(みずひ)が見えた〜。 多摩川最初の一滴です。

水干の前でザックを降ろして一呼吸。この下から滴り落ちる水がやがて多摩川となり138キロの流れとなって東京湾へ続くか。周囲にはお決まりのハナネコノメが咲いてる。こいつも真面目によく花を付けているもんだ。

それにしても前に立ち寄った記憶があるのだが、周囲の雰囲気が変わって前回の風景がまったく思い出せない。近くには真新しいテーブルも設置されかなり整備されたんだろう。

水干の説明 テーブルもあって休憩できます。
水干の説明。→拡大 テーブルもあります。

後は分水嶺の丘を廻ってから小屋まで。もうクタクタで小屋まで続く林道をゆっくりと降りていく。

分水嶺の丘より 雁峠方面
分水嶺の丘より。背後は笠取山です。
分水嶺とは?拡大
雁峠方面。明日進む山を横目に小屋に下ります。

やっとこさ小屋に到着。早速受付して設営してから小屋の表のテーブルにくつろぎセットを配置。テーブルはそれなりに賑わっていて若者の天泊グループもいる。奥秩父の深い所だが10年前と比べて少し華やかになった気がする。

水場往復の後にビールをぐぐぐいっと。だー!まともな言葉が出てこないー!

ミックスナッツ 小屋前のテーブルより
基本中の基本、ミックスナッツ。ビール、天場、各500円也。ジャイアントコーン入りじゃないとダメです。 小屋前のテーブルより。常連さん達がたき火で談笑していました。


夕飯はひよこ豆のカレーに5種のビーンズ 行動食兼の南部せんべい
夕飯はひよこ豆のカレーに5種のビーンズ。
何も考えてなかったみたいで豆に豆を合わせてるし。
食後のつまみは行動食兼の南部せんべい。
また豆かよ。


ミックスナッツ 小屋前のテーブルより
ビール3本の後は背負ってきたワイン500ml
明日は少し軽くなったぞ。
天場は小屋裏にした。この日は総数15張。


2日でここまで来ると後の行程が非常に組みやすくなる。明日は昨日・今日に比べれば短めなので今は飲んでやれ〜。ワインの後は暗くなってもスコッチのお湯割りをちびちびと。 トイレは道を挟んで小屋の隣にありとてもきれいに掃除されている。小屋の方々に感謝です。

会社のTさんは将監小屋で張ったのだろう。日数に余裕があれば無理しないで刻んで行くのが山旅らしくていいと思う。


3日目ヘ