北アルプス中部縦走 2007 夏 2日目  07.08.11
種池山荘        3:55
赤沢岳         8:10
針ノ木岳       11:25
針ノ木小屋(天泊)  12:35

星空の天場 星空の天場 起床は2:30

今日の行程は、それほど長くはないので、こんな時間から動き出さなくてもよいのだが、 立山と剱が朝日に染まる姿を間近で見たかったのと、針ノ木までの稜線をゆっくりと歩きたかったので、夜明け前に天場を出発した。

樹林帯を棒小屋乗越までいったん降ってまた登り返す。低木帯や下草の葉が朝露をたっぷりと含み、今日一番に通過する私の衣服は、すぐにびしょ濡れになった。 なかなか展望地に出してくれない道を登り、やっと稜線に出たときには、間近に立山と剱が連なっていた。

爺ヶ岳からの日の出

2532ピークで三脚を据えようと思っていたが、日の出に間に合わなそうなので、手前の稜線の突起したハイマツ帯で腰をおろす。

ところが、日の出側の雲が多いせいか、立山・剱も赤くなることもなく、気付けば、背後の爺ヶ岳から出た太陽に背中を照らされてた。
2日目の日の出

見えていたピークまで登ると、やっぱり予想通りの展望があった。もうちょっとのがんばりだったなぁ。

立山、剱岳 2532ピークより
立山、剱岳 2532ピークより

岩小屋沢岳でザックを下ろしていると、新越山荘からの一団が登ってきた。挨拶すると皆さんいい笑顔だ。 眼前にはこの絵が掛かる展望の道、それはそれは納得。

岩小屋沢山にて 岩小屋沢山にて

写真を撮ってもらった。たまにはね。

今日も暑くなりそうだ。

針ノ木岳へ続く稜線 針ノ木岳へ続く稜線
岩小屋沢山より

昨日、柏原新道から見上げていた稜線が伸びている。

最低鞍部には新越山荘が見えており、鳴沢岳、赤沢岳、そしてスバリ岳、針ノ木岳と美しい稜線が続く。

新越山荘 クルマユリ 車百合 鳴沢岳山頂
新越山荘 クルマユリ 車百合 ユリ科 鳴沢岳山頂

赤沢岳が大きい 鳴沢岳より 赤沢岳が大きい

鳴沢岳より

赤沢岳山頂

腰を下ろして大休止。

地図を見るとこの下をトンネルが通って黒部ダムへ抜けている。帰りはこのトンネルを、トロリーバスという物に乗って、黒部ダムから扇沢へ戻ってくるのだ。壮大な馬蹄形だなあ。
赤沢岳山頂

赤沢岳より振り返ると 後立山連峰

最後のおにぎりを食べ終わって、歩いて来た道を振り返れば、右の爺ヶ岳から、鹿島槍、五竜、白馬と続く後立山連峰が一望だ。

いつか繋げて歩くはず。

赤沢岳以降は、いわゆる高山地帯の様相に変っていく。 すっかり高くなった夏の陽射しを受けながら歩いていくと、スバリ岳が目の前に迫ってきた。 これぞ夏のアルプス!、と思わせる色合いと岩稜の山が壁のように立ちはだかる。

スバリ岳への稜線 スバリ岳への稜線

スバリ岳 スバリ岳

つづら折りの登山道が見える。あのピークはどうやって越えていくのだろうか、岩峰の美しさと急登の登山道に武者震いするようだ。

急登が始まる手前の鞍部からは、針ノ木の小屋や雪渓を歩く人が見え、小屋はとんでもないところに建っているのが分かる。 針ノ木大雪渓は最後にジグザグの急登が待っているので、夏の陽射しであの道はきつそうだ。 雪渓歩きは涼しそうで気持ち良さそうだが、やはり落石が恐い。

ふと気付くと、登山道周辺の砂礫にピンク色の物が散らばっている。よく見ると駒草ちゃんのご登場。
やあ、今年も会えたね。

針ノ木小屋 針ノ木大雪渓には人が見える コマクサのお花畑
針ノ木小屋 針ノ木大雪渓には人が見える コマクサのお花畑

スバリ岳山頂 スバリ岳山頂

時間は10:18。周囲にはだいぶガスが上がってきていた。のんびり歩いていたので、早出のわりにはけっこうな時間。 でも今日の行程は8割方終わっているので気楽だな。早出は時間と気持ちにゆとりができていい。

黒部湖と立山 黒部湖と立山
スバリ岳より

黒部ダムも見えている。最終日は眼下の黒部湖の湖岸を歩いているはずだ。その時はどんな達成感に包まれているのだろう?

立山は朝の姿から形を変え、竜王岳も見えて立体的になった。逆に剱岳は小さくなり、岩峰が乱立する姿が目立たなくなっていた。

針ノ木岳 針ノ木岳
スバリ岳より

本日の一番高い山。

そろそろ出ようかと思っていると、針ノ木岳方面から、全身赤い服装をした女性2人組の、山岳パトロールの方が登ってきた。 話を聞くと大学生だそうで、夏はずっと北アルプスの、この界隈を歩いているそうだ。たまに下界に下りてお風呂に入り、また稜線に戻るそうな。 今しかできないバイトだな。真っ黒な顔に白い歯のかわいい笑顔で登山者と応対する姿に、ありがたく、また羨ましく思いながら見送られた。

コマクサ 駒草 クモマスミレ 雲間菫 シコタンソウ 色丹草
コマクサ 駒草 ケマンソウ科 クモマスミレ 雲間菫 スミレ科 シコタンソウ 色丹草
ユキノシタ科

高山帯の花にニンマリしながら歩いて針ノ木岳に到着。変な時間だからか誰も居ない。 山名を認識してからだいぶ経ってしまったが「やっと来れたよ」と、感慨深い頂だ。

針ノ木岳山頂 イワギキョウ 岩桔梗 アオノツガザクラ 青の栂桜
針ノ木岳山頂 イワギキョウ 岩桔梗
キキョウ科
アオノツガザクラ 青の栂桜
ツツジ科

スバリ岳 スバリ岳
針ノ木岳より

こちら側から見るスバリも格好がいいな。

この夏に仲間がこの稜線を歩いて「スバリに惚れた」と言っていたのもうなずける。

ヒメクワガタ 姫鍬形 タカネヤハズハハコ 高嶺矢筈母子 ミヤマリンドウ 深山竜胆
ヒメクワガタ 姫鍬形
ゴマノハグサ科
タカネヤハズハハコ
高嶺矢筈母子 キク科
ミヤマリンドウ 深山竜胆
リンドウ科

針ノ木小屋と天場 針ノ木小屋と天場

山頂から小屋へ下っていくと、扇沢から針ノ木大雪渓を登って来たと思われる、空身で登ってくる登山者とのすれ違いが多かった。

やがて蓮華岳との鞍部に、小屋とカラフルな天場が見えてきた。扇沢から蓮華岳と爺ヶ岳を絡めた2泊3日の周遊もいいコースだな。

扇沢からこの針ノ木小屋まで登り、すぐにテントを張っている人も多いのか、早い時間なのに天場はそれなりに埋まっていた。最盛期は気をつけないといけない。 場所は完全な指定制で、番号札をもらって張ることになる。今日のねぐらは小屋から少し離れた高台の天場になった。

まずは生で乾杯。はぁ、極楽じゃ。ビールの正面には、明後日に歩く船窪乗越が見えている。 道が悪いと聞いていた通り、確かに山肌が崩壊している箇所が幾筋も見える。明後日は慎重に行かねば。

腹が減ったので、小屋の表のベンチで早い夕飯の準備をしていると、ケガ人をヘリで吊り上げる場面に出くわした。 すると一斉にカメラや携帯電話を向けるバカ共。想像力が無いというか、他人事というか、こんな登山者ばかりかと嫌になる。

小屋の前から見た天場 エビスの生 1000円也 夕飯はカレー。早く軽くなれー
小屋の前から見た天場
我が家は中央上の青テント
エビスの生 1000円也 夕飯はカレー。早く軽くなれー

天場からの眺め

中央の小さな建物がトイレ。奥に見えるが針ノ木小屋。

夕方6時過ぎてから、天幕をビリビリと揺らす激しい雷雨。久々に間近で聞く稲妻の轟音は、怖い反面懐かしさも感じた。
天場からの眺め


3日目ヘ 北アルプス中部縦走