北アルプス中部縦走 2007 夏 1日目  07.08.10
扇沢          4:55
爺ヶ岳登山口      5:10
種池山荘(天泊)    8:10
−爺ヶ岳(南峰)散歩−

初めての扇沢入りだ。と言っても今日は、扇沢の無料駐車場に車を止めるだけで、走ってきた車道を歩いて少し戻り、登り始めは柏原新道の爺ヶ岳登山口になる。

夏期連休の初日、まだ日は昇らないが扇沢の駐車場はすでに車が多い。駐車場入口付近の最下部あたりに車を止め、運転の疲れもあったのでほっと一息。 重い荷を背負い車道を戻り、路駐の車が並ぶ短い林道に入ると爺ヶ岳登山口だ。

入山届けを登山口のポストに入れる。さあ、1週間の縦走の始まりだ。

扇沢 爺ヶ岳登山口(柏原新道入口) どこかの稜線が染まる
扇沢 爺ヶ岳登山口(柏原新道入口) どこかの稜線が染まる

今日の行程は種池山荘までなので、CTは4時間という短さ。 初日なので体の様子を見ながらのんびりと行こうと思っていたはずが、天気がよく涼しい日陰が続くので足が進む。 寝不足のわりには調子が良いようで、道端の花を撮りながら、休憩を挟まないで標高をどんどん上げていく。

針ノ木岳の展望で一休み。明日あの頂に立つ自分を想像する。 同じ山に何度も登ることが多い私だが、初めての山へ向かう時の、胸が高鳴る感じはやっぱりいいものだな、と思いながら青空の稜線を眺めた。

登山道下部 コバギボウシ ほどなく針ノ木方面の展望
登山道下部 コバギボウシ 小葉擬宝珠
ユリ科
ほどなく針ノ木方面の展望

登山道が一部崩れた箇所があり、斜面上方からの落石に注意しながら素早く渡る。 山を回りこむように登山道を進んでいくと、緑野と青空の境目に種池山荘が見えてきた。

エゾシオガマ 蝦夷塩竈 一部崩壊している登山道 種池山荘
エゾシオガマ 蝦夷塩竈
ゴマノハグサ科
一部崩壊している登山道 種池山荘

種池山荘より 種池山荘より

山荘前は行き交う登山者で賑わっている。ザックを下ろし一息つく。それにしても、なんですかこの展望は。

目の前は草原の斜面が落ち込み、深い谷を隔てた向こうには、雪渓が伸びる針ノ木岳の展望が素晴らしい。 山小屋までわずかこの時間で登ってこられるので、爺ヶ岳を絡めた1泊だけでも良さそうだ。

時計はまだ8時過ぎ。さすがに時間が早いからかビールを飲む人の姿はない。この天気だものなぁ、想像しただけでも手が震えてくるが、まずはテントを張らなきゃいけない。

天場

小屋からやや離れた登山道脇に、展望が無い小さな天場がある。

場所は指定され奥から順に詰めて張るよう指示される。狭い天場なので混雑期はすぐに満杯になりそうだ。
天場

お楽しみ用品(主にツマミ類)とカメラだけをザックに入れて小屋前へ。すぐにでもジョッキをあおりたいところだが、今日はマジメにぐっと我慢して、缶ビールを買ってザックに入れる。 爺ヶ岳ぐらいは登ることにしようか。のんびり散歩気分で出発。

歩きはじめてすぐに登山道脇のチングルマの群生に足が止まる。もう花期も終わりだというのに、斜面全体を見事に飾っていた。

チングルマと針ノ木岳 爺ヶ岳へ
チングルマと針ノ木岳 爺ヶ岳へ

振り返れば種池山荘、背後は立山・剱 谷を隔てて雲巻く針ノ木岳
振り返れば種池山荘、背後は立山・剱 谷を隔てて雲巻く針ノ木岳

爺ヶ岳南峰 爺ヶ岳南峰

鹿島槍ヶ岳には、信州側に溜まった雲が今にも覆いかぶさろうとしている。

爺ヶ岳最高点の中峰はすぐそこだが、今日は南峰でいいとしよう。 さて昼飯にするか。

ビールと昼寝

軽い昼食の後はいつもの時間。ぬるくなっていたビールはすぐに空になった。強い日差しなのでタオルを被って昼寝。

風が気持ちいい。あぁ、今年もアルプスに来れたんだなぁ。
いつもの時間

んっ?と目が覚めタオルを取ると、雲が陽射しを遮って肌寒くなっていた。時計を見ると11:20。いつの間にか1時間近く眠っていたみたいだ。

種池山荘まで降りて来る頃には、周囲はすっかり雲の中になっていた。とりあえず焼きそばを作って生ビール。 目の前は真っ白だけど、これさえあればね。展望が無くてもうまいモンはうまい。 いい気分になったらまたひと寝入り。テントに入りシュラフに潜り込んだ途端気絶。

やがてテントを張る音で目が覚める。外に頭を出してみると、それほどテントの数は増えていなかった。 小屋の人が、お盆の連休はもう人が少ないんだよ、と言っていたのは本当らしい。

やっぱ生でしょ! 昼寝前の天場 種池 池と言うより水たまり
やっぱ生でしょ! 昼寝前の天場 種池 池と言うより水たまり

夕食は乾き物のツマミとビールだけにした。というか、ビールを飲みすぎて、食事分の腹の空きが残っていなかっただけ。

小屋前で憩っている方と各々の行程などを話していると、「あれ?野口五郎の天場って使えなくなったと思ったよ。」と言われる。 ん?そんな話聞いてなかったけどなぁ?黒部五郎の天場が幕営禁止になったとは聞いていたけど。まだ先の話だし、行く先々で聞いてみよう。

やがて針ノ木岳方面のガスが切れてきた。夕方5時ごろになると、ふっとガスが沈み、目の前に現れた稜線に、宿泊客の歓声が起こる。

山荘前の喧騒を後にし、酔いがまわったふらついた足取りで、爺ヶ岳方面へ少し進んだ高台まで登った。

鹿島槍ヶ岳 鹿島槍ヶ岳

二つ耳が姿を現してくれていた。冷池山荘も見えているが、山荘と天場がずいぶん離れてるのに驚いた。

天場は夕日に照らされ、剱岳の展望が凄そうだ。いつかは張ってみたい。


展望地には先客のカメラマンが1人。私も少し離れたところで三脚を立て、空が染まるのを待つ。


日は剱岳へ沈んでいった。
やがて、立山が光にかすれ、剱岳の荒々しいシルエットが浮き上がった。


夕日が剱岳へ沈んでいく
昼間とは違う冷たい風の中で震えながら、日が沈み落ちるまで夕景の剱を眺めた。


2日目ヘ 北アルプス中部縦走