2007GW 奥多摩奥秩父縦走 4日目  07.05.01
甲武信小屋       5:10
甲武信ヶ岳       5:35
国師ノタル       9:50 10:00発
国師ヶ岳       13:15
大弛小屋(素泊)   14:10

3シーズン用のシュラフで雪上テントは寒かろうと、雨具以外の物をすべて着込んで寝たおかげで、この旅では一番暖かく眠ることができた。

朝食は冷え固まったご飯を熱湯に入れてのお茶漬。よく食べる定番の朝食だ。持参してきた田舎特製の梅干を入れて完成。
朝ごはん

入山前はCTだけみれば早出して大日小屋まで行けるかもと思っていた区間だが、 残雪の多さにそれはすっかり諦めて、大弛止まりと決めて5:10に出発した。 この時期の甲武信には何度か登っているので、今日は初めからアイゼンを着けた。

富士山 甲武信ヶ岳より 八ヶ岳 甲武信ヶ岳より
富士山 甲武信ヶ岳より。 八ヶ岳 甲武信ヶ岳より。

空模様は予報通りの曇天。甲武信ヶ岳からは冬の高曇りという感じの空の下、八ヶ岳、南ア、富士、そしてこれから向かう国師・金峰山が くっきりと見えていた。山頂で展望があっただけよかった。 このぶんなら天気の崩れは大したことが無いかも?、と楽観的に国師方面に降り始めた。

国師ヶ岳、金峰山へ 国師ヶ岳、金峰山へ

朝日岳の右隣の小さい白い頂に五丈石をちょこんと乗せているのが金峰山。やっと来たか、という気分。

ここからの展望としていつも確認するのは、大弛峠にきちんと収まって見える白峰三山。今日もその白い稜線が見えている。

→拡大(大弛峠−金峰山)

千曲川源流への分岐 千曲川源流への分岐

毛木平(もうきだいら)からの甲武信ヶ岳周回コースは右に折れる。シャクナゲの頃には十文字峠から甲武信へ賑わうコースだ。 5月も末になると千曲川の源頭部ではうまい水が飲める。

ここから国師への踏み跡が細くなる。いざ踏み込む。

今日は夜明け前から曇っていたからか気温が高い。朝方の天場でも氷点下にはならなかった。 おかげで朝の締まっている雪を歩く為に早く出たのだが、時間のわりには踏み抜きが多くて、 荷が重い分そのつど足にダメージが蓄積され「もう、かんべんしてよ〜」と思わず声をあげる。

足があちこち痛い。恐々と歩くのでCTをかなりオーバーしながらの進み具合だった。

富士見を過ぎて両門ノ頭に出る頃(8時頃)には強風の中に雪が混じっていた。国師ヶ岳は吹雪いているようで姿は見えない。 早く崩れてしまったことにがっかりしながら歩みを速めた。
両門ノ頭

国師ノタル付近で大弛小屋からの登山者と初めてすれ違った。「しっかりトレースはついてますよ」との言葉に安心する。 甲武信側からは私の他に、男性の小屋泊1人、女性の天泊1人の計3名が大弛小屋へ向かっているはずで、ここで女性の天泊者に抜かされた。 「いや、踏み抜きが多くて疲れました。」なんて言い訳をして、私は行動食を食べてから登りにとりかかった。

国師ノタル 残雪の登り道 雪が積もって行く
国師ノタル。 残雪の登り道。 雪が積もって行く。

雪の方は本降りになってきた。標高を上げるにつれ樹木の枝葉には雪が積もり、森林の中の枝葉混じりの残雪は純白に衣替えしていく。

そして何を思ったか2295m地点の曲がり角で、稜線の国師ヶ岳への分岐と思いこんで、「もう少しだー」とがつがつ登って行く。 しかし行けども行けども登りの連続。しかも2465m地点の巻き道で、「あれ?このトレースは国師を巻いているのか?」 などと思って強引に斜面を登って引き返したりなど、雪との無駄な格闘で心身共に疲れた。 本格的な吹雪になっていることもあって、面倒くさがって地図を出しての確認を怠ったのが原因。 このあたりは赤テープなどの目印も少ないので必要な行為なのに。 最近の山行では明瞭な登山道ばかり歩いていたので、いつの間にか地図を見る習慣が薄れていた。

やっと稜線に出た。だが先行者のトレースが消えている部分もあり少しあせる。 大粒の雪が吹き上げるように体にたたきつけてくるので、ぐっしょり濡れた手袋の中の指先が冷たい。 それでも全装備を背負っているので常に安心感があるのは大きかった。 逆に後を歩いているはずの小屋泊の男性は、無事に越えて来るだろうかと心配になった。

国師ヶ岳(13:15) 国師ヶ岳(13:15)

巨体なわりには寂しげなピーク。稜線の猛烈な風雪はGWの山行の予定には無かったことだ。

人がほとんど行き交うことの無い静かなピークで、コーヒーでも作って飲もうかなどと考えていた企みはあっけなく潰えた。

北奥千丈岳への道標

こんな天気でも奥秩父最高点の北奥千丈岳(2601m)には寄ろうとしたら、分岐の道標は完全に雪に埋もれトレースも無い。 この縦走での最高点に登らないのがなんだか気が引ける思いだが仕方ない。
北奥千丈岳への道標

大弛へ降る 大弛へ降る

稜線の踏み跡は風雪で消えて注意して歩いてないと「え?どこ?」と探し回ることも数度。 雪で登山道も狭くなり赤テも少ない。雪が堆積した木道からは、ドスンと落ちる踏み抜きもあり、大弛小屋へは雪ともがきながら降った。

すでに心の内は小屋泊モード。今日から小屋番さんが入ると聞いていたので、暖かいストーブの周りで濡れ物を乾かし、 熱燗でもやりながら過酷な国師越えで疲れた体を芯から癒してやろうと、気色悪い笑みを浮かべながら小屋に入った。

外は風雪が叩く 大弛小屋にて
中には途中で抜かしていった女性天泊者1人。小屋は暗く、しーんとして冷え冷えとしている。 どうも今日は無人らしく素泊まり料金は箱に入れる仕組みらしい。今晩は暖かいストーブも無し、酒の販売も無し、ということだ。

小屋の中は午後2時半で−2℃。外に比べればましだが、動きを止めた体には寒く、暖かい飲み物を作っても気休めにしかならない。
外は風雪が叩く

その女性といろいろ話していたが、二人共いつまで経っても着かない小屋泊の男性のことが心配だった。 午後4時過ぎても着かないので、これは途中で引き返したのかな?とか、今頃もう西沢渓谷へ降りてビールとか飲んでるんじゃない?、 いや温泉に入ってぬくぬくしてるって!などど、「いいよなー」的な変な方向に話が進みはじめた。

とにかく今日はもう来ないだろうと結論したところに、全身雪だらけのその男性が小屋へ到着した。 聞くところによると、2回の道迷いで大分時間をロスしたとのことだったが、過去に雪洞を造って寝たこともあり、 火器とゴアのシュラフカバーも携帯していたので、その分冷静に行動できたという話だった。 経験と装備はほんとに重要だと思った。

真っ暗になってもヘッドランプで話が続いた。私はスコッチをお湯割りにして飲んだので体も温まった(麻痺した?)。 明日には降りられそうなので、残ったラーメンを男性に渡し、つまみとして柿ピーや焼きそばを大判振る舞い。 三人で楽しい一夜だった。でも、やっぱりストーブと熱燗がほしかったかな。
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