南アルプス足跡つなげの旅 2日目 06.08.13

赤石小屋        3:55 2550m
富士見平        4:35 2701m
赤石岳         7:30 3120m
百間洞山ノ家(幕営) 10:55 2440m
2日目の始まり

夜は少し寒かったがぐっすり眠ることができた。素泊まり小屋では一番に起きて、外のテーブルでパンとミニラーメンの朝食を手早く済ます。 寝坊というかグズグズしていたので、撤収作業が無いくせに予定より遅れて出発した。

真っ暗な本館のそばで準備運動をしていると発電機が作動を始め登山者達の目覚めの時間となる。空は月明かりに照らされた雲と星がきらめいている。目指す山側は雲に隠れていた。
出発

富士見平にて 富士見平にて

樹林帯の初めての道をヘッドランプで歩くのは嫌なものだが、現在の標高を考えるとすぐに森林限界になると思っていた。

ハイマツ帯の360°何も邪魔するものがない富士見平にポンと出るとまだ夜明け前。 でも空は明るくなりその名の如く富士山も見えていた。この時期の日の出は約4時50分、それを目安に小屋を出るのがオススメ。

進行方向を見ると一度下ってしばらくは樹林帯が続いている。ここから岩場の見通しが良い道が続くと思い込んでいただけに気が重くなる。 幸い下りは短かったがトラバース気味の道が続き高度がなかなか上がらない。岩の壁面に設置された桟道のような板場を渡っていくと、雪渓の残る北沢の源頭が朝日に照らされていくのが見える。

登山道に掛けられた橋 赤石の斜面が朝日に染まる 北沢の水場はあてにしないで小屋で汲んでおいた方が無難です
登山道に掛けられた橋 赤石の斜面が朝日に染まる 北沢の水場はあてにしないで小屋で汲んでおいた方が無難です

樹林帯を抜けて花が咲き乱れる急登を行く。お花畑というほどの群生ではないが、種類が多いので花好きには歩みが遅くなる道だ。そういう訳で私ものろのろ歩くことになった。

ムカゴトラノオ タカネグンナイフウロ シナノオトギリ タカネマツムシソウ ウサギギク
ムカゴトラノオ
零余子虎の尾
タカネグンナイフウロ
高嶺郡内風露
シナノオトギリ
信濃弟切
タカネマツムシソウ
高嶺松虫草
ウサギギク
兎菊

テガタチドリ ミヤマオダマキ クルマユリ イワベンケイ ヨツバシオガマ
テガタチドリ
手形千鳥
ミヤマオダマキ
深山苧環
クルマユリ
車百合
イワベンケイ
岩弁慶 受粉した雌株
ヨツバシオガマ
四葉塩竈

アカイシトリカブト 赤石鳥兜

日の光が尾根を回り込んで花を照らしだした。赤石岳の頂上付近もガスが取れてきそうだ。上々な気分で最後のガレ場を登る。
アカイシトリカブト

チングルマ アカイシミヤマクワガタ アオノツガザクラ タカネヤハズハハコ チシマギキョウ
チングルマ
稚児車
アカイシミヤマクワガタ 赤石深山鍬形 アオノツガザクラ
青の栂桜
タカネヤハズハハコ
高嶺矢筈母子
チシマギキョウ
千島桔梗

しかし稜線に出ると湿気を含むガスが流れていて視界が無い。汗もすぐに冷えて寒いので上着を着る。登山者が居ない稜線を進んでいくと真っ白な赤石岳山頂に着いた。 後から来た年配のご夫婦に写真を撮ってもらったあとは赤石避難小屋(といってもこの辺りの避難小屋は営業小屋と同じ)に寄ってジュースを飲んで落ち着く。 そうしていると小屋の人に「え?百間洞まで?まだこんな時間だから聖平いっちゃえよ。地図のCTなんかジジババの時間だよ。」と言われた。 確かにそうだが百間洞で張りたいという理由もあるし、なにせ、まったり派だし、ということでゆっくり行く。

赤石岳山頂 赤石避難小屋 ミヤマシオガマ
赤石岳山頂 赤石避難小屋 ミヤマシオガマ 深山塩竈
砂礫に目立つ人気の花

さあ、ここから線を繋げる道が始まる。岩に囲まれた道を下り岩石の斜面のトラバース道を落石に注意しながら素早く通る。馬の背手前で見上げると赤石岳山頂が雲の間から見えていた。 この辺りは赤石岳山頂付近に比べ静かなので、南アの奥深さを感じられる道程になるだろう。

楽しみにしていた百間平には登山道の両側に柵があった。こんな秘境に人工物があるのは興醒めだ。花も咲いていないし、こうでもしなければ幕営する人でもいるのだろうか。 見頃を過ぎた黒百合が咲く百間平の縁まで来ると大沢岳が目に飛び込んできた。3つのピークを持った意外と大きな山体だ。鞍部にテントが張られている天場も見える。 大沢岳に直登する登山道はかなりきつそうだ。とりあえず今回はパスにするか。

岩石のトラバース道 百間平 大沢岳 右下の露地が天場
岩石のトラバース道
左に見えるのが赤石岳山頂
百間平 大沢岳 右下の露地が天場
※画像クリックで大きくなります。

イワツメクサ タカネツメクサ チングルマの実 ハクサンフウロ クロユリ
イワツメクサ
岩爪草
タカネツメクサ
高嶺爪草
チングルマの実
稚児車
ハクサンフウロ
白山風露
クロユリ
黒百合

さて、空はガスが湧きあがり展望が望めないし、その割には歩く所は日が照りつけて暑い。こりゃあそこに見える天場に早く張ってビールしかないなと思って(どっちにしろビールだが)下りていくと、 「天場は指定制 受付の後に張ること」と書かれた看板があった。確かにサイトごとに番号が振られた札が刺さっている。ここは天場と小屋が離れているのでザックを降ろしてから小屋へ向かう。

天場 百間洞山ノ家 聖岳
天場 百間洞山ノ家
ひゃっけんぼらやまのいえ
聖岳
百間洞山ノ家から

百間洞山ノ家は百間洞へ流れる沢の傍らに建ち、涼しげで雰囲気が良い小屋だ。小屋にはエビスの黒も売っていた。ドライと同じ値段だ〜、ということでテントを張る前に黒ビールを飲み干した。 幕営の手続きを終えると、単独行者としては最初の受付だったようで、テントサイトは1番を割り当てられた。ちなみに1番は最も小屋に近いテントサイトになる。

こんな時間から飲むのは・・・実に気持ちが良い!!テントを張ったら小屋前のベンチで本格的に飲み始めた。昼飯はレガーのガーリックリゾット。これがまたビールに合う。 それから持参のスコッチまで手を出して、夕飯(焼きそば)までずっと飲んでいた。何しに来ているんだか。

オコジョ オコジョ

まったりしていると小屋の脇の石垣にオコジョが現れた。先週も早月尾根でズボンを突付かれていたので、2週連続の出会いにはビックリ。他の登山者達は「かわいい〜」の連発。私も心の中で連発。

水場は離れた沢から引いていて蛇口が小屋の1階にある。トイレも小屋を使用する。この日の小屋は大混雑だったようだ。注意事項の張り紙がたくさん貼り出されていた。 ここはそんなに混む様な小屋ではないと思っていたので驚いた。

明日も早出のつもりで16時にテントに入った。沢の音が心地よく快適な天場だった。
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